安倍首相こそ危機感を持て!
安倍首相は新型コロナウイルス感染予防対策に関する記者会見を17日の午後6時から行った。
(2020年4月17日 MBSテレビ「Nスタ」より)
この記者会見で安倍首相は、緊急事態宣言を拡大した理由とすべての国民に一律10万円を給付することなどについて語った。
この中で安倍首相は、緊急事態宣言を拡大した理由については大型連休に人の流れを抑制することにあったと述べ、国民すべてに一律10万円を支給することになったのは全国民に協力をお願いするためだと語った。
(2020年4月17日 BS-TBSテレビ「報道1930」より)
安倍首相の説明はおよそ20分続いたが、「一体感」だとか「国民の協力」などという言葉をさかんに口にしていた。
(2020年4月17日 カンテレ「報道ランナー」より)
昨年、ラグビーワールドカップで「ワンチーム」という言葉が流行ったが、さすがにその言葉を使うには乗りすぎだと思ったのか、安倍首相は「国民との一体感が大切」を強調していた。
唐突な緊急事態宣言の対象を全国に変更したこと、そして所得制限のある30万円給付から一律1人あたり10万円の給付に変更したことで国民の間に混乱を招いたことを安倍首相はお詫びすると言ったが頭は下げなかった。
安倍首相が「一律」と発言したのにも関わらず、さっそく異議を唱える閣僚がいる
(2020年4月17日 BS-TBSテレビ「報道1930」より)
安倍首相は緊急事態宣言拡大に関する重要なことについて悦明しているにも関わらず、それはいつものように私の心には少しも響かなかった。
そのうちあることに気づいた。
日本が未曽有の危機に見舞われている状況であるというのに、安倍首相が話しているときの口調や雰囲気があの国会での答弁と全く同じであることに・・・。
それは、自分が当事者であるにも関わらず、まるで第三者のような答弁をしているという、あの口調である。
行政のトップに位置しているのであれば、もっと鬼気迫る、迫力のある言葉と雰囲気で、心底から国民に訴えることが必要なのではあるまいか。
歴代総理大臣の中で、このような場面でそのような話し方をするのは誰だろうかと他の者に問うてみた。
そうすると、小泉純一郎元首相という答えが即座に返ってきた。
おお、皆もそう思うかと少々嬉しくなった。
確かに小泉元首相は国会で乱暴な言葉づかいもしたし、少々強権的でもある。
しかし、ときどき私たちの胸を打つ演説をすることがあった。
それは推敲されつくした美しい言葉などではない。多くがワンフレ―ズで平易な言葉ではあるが、それが心底から叫んでいるものだということが聴いている者の心に伝わってくるのだ。
一番記憶に残っているのは、小泉元首相が「自民党をぶっ壊す」と言ったことである。
自分が所属している政党を壊すとは究極の矛盾した言葉であろう。しかし、それほどにこの問題に政治生命を懸けている真剣さが聴く者に伝わってくる。
このような気構えがないとあの郵政民営化は実現できなかったろう。
新型コロナウイルスの感染拡大を完全に阻止することはそのくらい、いやその何倍もの覚悟がないとできないだろう。
安倍首相夫人の昭恵氏が先月15日、約50人の同行者とともに大分県の宇佐神軍に参拝したという。
安倍首相が警戒を呼び掛けた翌日、昭恵夫人は約50人の同行者とともに宇佐神宮へ
(2020年4月16日 ABCテレビ「キャスト」より)
改正新型インフルエンザ等対策特別措置法が施行された翌日である。
このことについて安倍首相は17日の衆院厚生労働委員会で、「神社の参拝は密閉ではない。3密が重なったらダメだと申し上げている」と答弁し、問題はないとの認識を示した。
先頭に立っていたのはノーマスクの昭恵夫人、無警戒さに驚きましたね(目撃者談)
(2020年4月16日 ABCテレビ「キャスト」より)
国民には外出自粛を強く求めておきながら、身内に対しては何も問わない。
そういう為政者が訴えるものが例え真っ当なものであったとしても、決して国民の心に響くことは無かろう。
安倍政権もここで覚悟を決めないと、この政権で新型コロナウイルスの災厄を乗り越えることは難しいように思えてならない。