「頭が腐れば尻尾も腐る」の実態を見た!

 今年2月の予算委員会で、立憲民主党辻元清美議員が安倍首相に対する質問の終わりにした「鯛は頭から腐る」という発言を覚えている人もいよう。

 

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         (2020年2月13日 MBSテレビ{ひるおび」より)

 

 「鯛は頭から腐る」とは、組織もトップが悪行を働けば下もそれに倣い、やがて組織全体がダメになるという意味であることは周知のとおり。

 

 河井夫妻の買収疑惑事件は、その詳細が明らかになるにつれて「ははぁ~ん、やっぱりな~」と変に納得させられるのだった。

 

 それは森友・加計問題や「桜を見る会」などにおける安倍首相の言動を思い起こせば当然のことだ。
 
 しかし、変に納得してばかりもいられない。
 事は重大である。

 

 違法性があると分かっていながら保身から成り行きに任せてしまうか、あるいはそういうことを見聞きしても「我関せず」で忠告も諫言もしない議員たち。

 

 最近の政治家の資質は堕ちるところまで落ちてしまったと言わざるを得ない。

 このようなことが政治組織のあらゆる層にまで浸透してしまい、今や日本の政治は先進国どころか三流国あるいはそれ以下の国と同じになっているように思える。

 

 この辻元議員の「鯛は頭から腐る」という発言に対し、当時は批判的な意見も多くみられた。

 

 確かにこの言葉だけを聞けば、「少し言い過ぎ」という感もしないわけではない。

 それは言う方と言われる方が全く同じ立場であったならば少々言い過ぎと言えるかもしれない。

 

 だがその相手は国の政治を司る日本国最高の権力者である。

 その権力者の些細な判断ミスや過ちが直ちに国の存亡に関わってくるのだ。

 

 そういう者が、自分に対して多少批判的な態度をとるからと言って同じ自民党のその候補者を差し置いて、いわば対抗馬ともとられかねない河井案里容疑者を参院選に担ぎ出し、さらに自民党本部から支部に対して、通常の10倍にもあたる1億5千万円もの資金を提供したことは公平・平等そして民主選挙の理念から大きく逸脱した行為であろう。

 

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         (2020年6月19日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 このようなことが続けば、早晩自民党は分解してしまうだろう。
 そういう危機感を持つ者が今の自民党にどれほどいるだろうか。

 

 従来から法(選挙)違反すれすれの行動をとってきた河井克行容疑者を、適材適所と言って法務大臣に任命した安倍首相の責任をうやむやにさせてはならない。

 

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           (2020年6月18日 ABCテレビ「キャスト」より)

 

 「自分たちは安倍首相から目を掛けられている」と思った河井克行・案里両容疑者が他の自民党議員に対して傲慢な態度をとり続けていたことに対しても、安倍首相らは何らかの具体的な責任を早急にとるべきであろうと考えるのである。