自民党新総裁は「両院議員総会」ではなく通常の「総裁選」で選出すべき

 安倍首相の突然の辞意表明は、人気の高かった石破茂元幹事長を排除したかったための「石破つぶし」ともいわれている。

 

 そのためか自民党執行部は、新総裁を通常の「総裁選」ではなく、自民党員・党友を省いた簡易な「両議院総会」で新総裁を選出しようとしている。

 

 その理由として、今回は緊急を要するということで投票におよそ12日間を要するという「総裁選」より、時間を要しない「両院議員総会」を自民党執行部は打ち出したのである。

 

 「緊急」だという状況を作り出すために安倍首相の突然の辞意表明が必要だったようにも思われる。

 

 しかし、このようなときのために「内閣総理大臣臨時代理」が決められているのではないか。

 

 今回その臨時代理を置かないのはなぜなのか?
 臨時代理を置けば時間的な制約も解消するのではないか?

 

 「総裁選」では国会議員394票と党員394票の計788票の取り合いとなるが、「両院議員総会」のそれは国会議員394票と地方の代表者141票の計535票である。

 

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       (2020年8月30日  ABCテレビ「サンデーLIVE」より)

 

 地方票では根強い石破氏が「通常の『総裁選』で決めるべきだ」と強く発言していることはよく理解できる。


 
 このようなことを考えると、新総裁選出にあたって「両院議員総会」を進めている自民党執行部の本当の狙いは「石破つぶし」にあると言われてもやむをえまい。

  自民党執行部はいつまで汚い策略を続けるのだろうか。 

 

 安倍首相は「新総裁が決まるまで待つ」と言っているのだから通常の総裁選を行う時間的余裕はあるはずだ。

 

 辞めようとする者への不必要な忖度をいつまでも行い続ける自民党執行部。

 これも長期政権の弊害と思われてもしかたないだろう。