日本学術会議の腰砕け!?

 日本学術会議の新会員6名が任命拒否された問題で、16日に菅義偉首相と同会議の梶田隆章会長が官邸で会談した。

 

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          わずか15分の会談、これでも会談というのかな

       (2020年10月19日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 会談後、記者団の取材に梶田会長は「任命拒否の理由と速やかな任命を求める決議文を菅首相に手渡したが、その後、学術会議の今後のあり方について意見交換した」と語っている。

 

 今回の任命拒否について菅首相から説明があったのか、との記者の問いに梶田会長は「今日は特に回答を求める趣旨ではないので、明確なことはない」と答え、さらに「聞かなかったのか?」という記者の質問に「それよりも未来志向で、学術会議が学術に基づいて社会や国にどう貢献していくかについて話した」と梶田氏は答えた。

 

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      せっかくの機会を決議文手渡しだけで終わった、もったいない

        (2020年10月19日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 ちょっと待った!

 

 梶田会長までもが、この任命拒否問題を国民の目からそらすために「日本学術会議の今後のあり方」という件を急遽持ち出してきた一部の自民党議員の動きに乗っかってしまったのか。

 

 菅首相と梶田会長の会談は、今回の任命拒否が発端となって菅首相は「(日本学術会議と)話し合ってもいい」との態度を示し、梶田会長も「話したい」ということで実現したことではないのか。

 

 この会談の席上で梶田会長は、菅首相に対して「任命拒否の理由」そして「任命」を強く求めるべきではなかったのか。

 

 せっかくの会談で肝心の「任命拒否問題」についてはスルーして、「これからの学術会議のあり方」について話したと語る梶田会長、なんとピントの外れた会談だったのだろう。

 

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        (2020年10月19日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 大西元会長は「ボールは相手側にある」と言うが、政府はボールをどこか遠くに放り投げて「学術会議とは円満に話し合いを持った」との既成事実を振りかざして「任命拒否問題」など握りつぶしてしまうだろう。