「32年東京五輪開催」は、今夏開催の流れを作りたいトラップ・ニュースか?

英タイムズ紙の報道には裏がありそう

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        (2021年1月25日 MBSテレビ「ちちんぷいぷい」より、部分)

 

 過日の英紙タイムズが「日本政府は今夏の東京五輪開催は中止せざるを得ないと判断、2032年開催を検討中」と報じたことが注目されているが、どうもこのニュースは全くのフェイクとは言えない、ある目的を持った裏があるような気がする。

 

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        (2021年1月25日 MBSテレビ「ちちんぷいぷい」より)

 

 タイムズ紙はこの情報の出所が「(日本の)連立与党の古参議員の1人」としているが、日本政府はそれを否定している。こういうところもうさん臭い。そんな具体的な情報源がこうして明らかになること自体、普通はあり得ない。

 

1.「2032年の開催」に触れたのは世論の流れを変えるため?

 

 火のない所に煙は立たないもので、このタイムズ紙の情報は、東京五輪の今夏開催を狙ってわざと流されたように思える。

 

 現在、新型コロナの感染拡大によって今夏の東京五輪開催は日本のみならず各国で開催中止の声が大きくなっている。そのことに対して開催を強行したい者が、どうかしてその世論の流れを変えたいがために、故意にタイムズ紙に流したトラップ・ニュースのような気がするのである。

 

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        (2021年1月25日 MBSテレビ「ちちんぷいぷい」より)

 

2.2032年のオリンピック開催国は決まっていない


 このタイムズ社のニュースで、11年も先の「2032年の開催を」とわざと匂わしているところが怪しいのだ。


 2032年のオリンピック開催国にはインドが立候補しているがまだ確定していない。それなのに今夏の東京五輪が延期になったら2032年は東京に決まるような言い方がおかしい。そんなことは神でもわからないことだ。
 
 2032年までの間のオリンピック開催国は決まっており、2024年はパリ、2028年はロサンゼルスである。

 

3.開催を2024年にずらす案もあった


 過日一部の情報では2024年のパリ開催をずらして、その年に延期した「東京五輪」を開催し、その後は順次開催国をずらしていこうとした動きがあったらしいが、パリなどが猛反対するのは目に見えている。

 この情報はその後パッタリ消えたがいろんな情報が飛び交っているのは相変わらずだ。

 

 このようなことからもし今夏東京五輪が開催できなかったら、まだ開催国が決まっていない11年先の2032年に延期しようと考えたのだろうが、発想があまりにも唐突で、とても本気だとは思われない。

 

4.11年も先のことはわからないという不安感をあおる?


 もし11年も先の2032年に今夏延期された「東京五輪」が開催されると決まっても、我々も含め今居るすべての人たちがそれを体験することができるとは限らない。

 

         11年後、これらの人たちは、こうなっている

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       (2021年1月25日 MBSテレビ「ちちんぷいぷい」より)

 

 今回の「2032年東京五輪開催」の情報は今夏開催を強く望む関係者の次のような意図に基づいて流されたのではないのかと思われるのである。

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      (2021年1月25日 MBSテレビ「ちちんぷいぷい」より)

 

5.「11年も先なら、今やるべき」という世論の流れを作るため

 

 「今夏の東京五輪開催を中止して、その代わり11年後の2032年に開催する」と聞かされて一番先に私たちの頭に浮かぶのは、果たしてその時にもう一度東京が開催国になれるのか?という疑問、そしてその時自分は健在か?という不安だろう。

 

 そういう不安や疑問を持った世論は「そんなことなら今は新型コロナ禍で大変だろうけど、少々無理してでも今夏開催しても止むを得ない」というふうに傾くかもしれない。


 このような世論の流れを作りたいと考えて、情報源といわれる「日本政府の古参議員」はタイムズ紙に情報を流したのかもしれない。

 

 今回のタイムズ紙のニュースは、何が何でも東京五輪の今夏開催を成し遂げたい者による仕業に思えてならないのである。