森会長、失言を老害のせいにする?

 3日、東京オリンピックパラリンピック組織委員会森喜朗会長が「女性が多い会議は時間がかかる」といった発言に対し、日本のみならず外国からも批判の声が上がり、森会長は「もう私についていけないと組織委の役員とか皆さんがおっしゃるなら、それはやむを得ないこと」と会長を辞める可能性に触れた。

 

 また森会長は「私自身も『老害』という批判を意識し、反省しながらやってきた。83歳ですから」とも語った。

 

 年を重ねれば若い時のように柔軟な考え方ができなくなるのは誰にでもあること。
 それは「強情」とか「意固地」という形であらわれる。

 

 しかし、どのような立場で発言するのかということを考えれば、「女性が多いと会議に時間がかかる」というような失言を老害のせいにするのはいかがなものか。


 老害による本音だからいいだろう、と許されるものではない。

 

 東京オリンピックパラリンピック組織委員会のトップがこのような発言をしてしまったら「失言」ではすまない(日本では「失言」という言葉で今まで看過してきた)。

 

 森会長のこれまでの発言にロンブー淳聖火ランナーを辞退したという情報も入ってきた。

 

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   ロンブー淳も、森会長のあまりの失言にあきれ果てて聖火ランナーを辞退した

      (2021年2月4日 ABCテレビ「おはよう朝日です」より)

 

 また森会長の今回の発言について、ニューヨーク・タイムズは「この夏に大会を開催することのコストや反発に加え、新たな怒りに直面することになった」と伝えている。

 

 森会長は会長を辞めることを匂わせたが、それが本音か、あるいは自分が辞めれば今夏の東京五輪の開催がますます難しくなるぞという脅しなのかわからない。
 唯一、わかるのは本人も自覚している通り、会長の任を背負うには、あまりにも高齢であるということだ。

 

 麻生太郎副総理兼財務相は昨年3月の参院財政金融委員会で、戦前の東京五輪そして冬季札幌五輪が中止されたことについてそれらを「呪われた大会」と評した。

 

 ひょっとすると、今夏の東京五輪を麻生氏は「呪われた大会」と言うかもしれない。