こんな茶番のような交代劇では何も変わらない

 東京オリンピックパラリンピック組織委員会森喜朗会長(83)が辞任するという。

 そして後任に元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏が挙げられている。

 

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                後任に挙げられている川淵氏

           (2021年2月11日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 

 川淵氏は森氏と同じ早稲田大学のサッカー部に所属していた。
 川淵氏は2年浪人して早稲田に入学しているから森氏とは1年違いの先輩・後輩にあたる。

 

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          (2021年2月11日 MBSテレビ「ミント」より)

 

 川淵氏は森氏から頼まれて会長を引き受けたらしいが、その川淵氏は森氏を相談役にすると言っている。
 これでは森喜朗氏の名は表からは消えたが、裏にはしっかり残っている。

 

 森氏は自分の影響力を残したいがために川淵氏を選んだのは間違いあるまい。

 ただ単に会長の顔を変えただけである。これでは組織委員会の体質は変わるまい。

 

 森氏の女性蔑視発言に対する国内外の批判はこんな茶番のような交代劇で収束するとは思えない。

 

 同じ大学、そして同じサッカー部に所属していたということ(森氏はサッカー部に所属していたのはわずか4カ月だという)、さらに二人とも80歳台という高齢者であること(お断り:ただ単に高齢者であるが故の批判ではありません)。

 

 会長がその組織の実態を表すとするならば、森会長時代と何も変わっちゃいない。
 旧態然である。

 

 外国では新しい会長の川淵氏について詳しくは何も伝わっていない。

 二人が親交の仲だったということだけで、川淵氏も同じ思想の持ち主だなと考えるだろう。


 東京五輪組織員会の体質は変わったというメッセージを国内外に伝えるには、後任の会長には森氏の思想と全く異なる人物を選んでガラリと変わる必要があった。

 今回の国内外の批判を払拭するには大きなインパクトが必要なのだ。


 そういうことを感じたのかIOCのバッハ会長は「新しい会長には森会長と女性も並列にしたら」といった奇抜な意見もあったようだ。

 

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        (2021年2月12日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 どちらにしても、今回のような会長交代では森氏が依然と院政を敷くことができるようなもので、決して国内外の納得を得ることはできないことを組織委員会や五輪関係者は思い至るべきである。