都議選結果は小池都知事の「マジック」か「作戦」か?

 4日の東京都議選で、自民党公明党と合わせて議席過半数を目論んだがあえなく失敗した。

 

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                  自公は過半数に届かず

        (2021年7月5日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 選挙戦中盤までは自民党幹部の誰もが「自公で過半数をとることは間違いない」と言っていたが、結果は大方の予想を覆すものだった。

 

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         選挙前、自民党幹部はこう言っていたのに・・

      (2021年7月5日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 なぜ予想が覆ったのか。

 

 小池百合子東京都知事疲労のために10日間公務を離れて静養したこと、そして退院したかと思ったら選挙最終日に都民ファ立候補者の応援に出かけたこと、これらのことが今回の結果を招いたというメディアもある。

 

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      (2021年7月5日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 5日のABCテレビ「羽鳥モーニングショー」ではこれを「小池マジック」として報じていた。

 

 そうすると小池知事が疲労で入院したことは同情を集めるため、投票日目前になって退院し、都民ファ立候補者の応援に出かけたこともじっくり練られた作戦かと思われそうだがそれはたまたまだろう、と私は思う。

 

 結果的にそのようなストーリーであってもおかしくないと思われるのも政治家としての小池知事の稀有な資質に起因するのかもしれない。

 それが今回の都議選の結果が小池知事の「マジック」とか「作戦」とかいわれる所以である。

 

 一部のメディアも報道しているが、今回の都議選における自民党の敗因は別に2つあると挙げている。

 

 ひとつは、疲労で入院した小池知事について麻生太郎財務相が「自分でまいたタネでしょう」と皮肉ったことである。これで小池知事に同情が集まった。

 

 そしてもうひとつは、安倍晋三前首相が月刊誌の対談で東京五輪の開催に反対している人たちを「反日的」と発言したことである。これで五輪開催に反対の人が自民党候補者を避けた。

 

 もちろん、菅政権のコロナや東京五輪の対応に問題があったというのも挙げられるが、これらは選挙前からわかっていたことである。

 

 今回の都議選の結果は、小池知事のマジックでも戦略でもなく、総理大臣を経験した人がこのような軽薄で短絡的な発言をしたことが都民に忌み嫌われたからだと思わざるを得ない。