ジェンダー平等、サルの方が進んでいた!

 大分市高崎山自然動物園で、今まで群れを率いてきた雄ザルに代わって雌ザル「ヤケイ」(9歳)が群れのトップに立った、という記事が今朝(7月31日)の新聞に載っていた。

 

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         サル寄せ場で餌を取り合うサルの群れ

        (2014年3月 高崎山自然動物園で撮影)

 

 その記事によれば、この高崎山自然動物園のサルは餌付けで知られており、これまで約70年間群れを率いてきたのはすべて雄ザルで、雌ザルがトップに立つのは初めてらしい。

 

 最近までトップの座にいたのは雄ザルの「ナンチュウ」(推定31歳)だった。

 

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     今までのB群のトップだった「ナンチュウ」(と思われる)雄ザル

          (2014年3月 高崎山自然動物園で撮影)

 

 その「ナンチュウ」は最近元気がなく、秋口の発情期で雌ザルを追いかけてもふられてしまうことがたびたびあるらしい。サルの31歳というのは人間に当てはめれば

100歳に近いということらしいから無理からぬことである。

 

 この高齢の「ナンチュウ」の動きにわが身を重ねて、「がんばれ」と声援を送る観光客もいるらしい。

  その「ナンチュウ」が群れのトップの座を奪われたのである。

 

 園が試しに群れの序列を確認する「ピーナツテスト」を30日に実施したら、雌ザルの「ヤケイ」が真っ先にエサに手を伸ばした、という。
 その時「ナンチュウ」は「ヤケイ」から逃げるような行動をとったため、園では「ヤケイ」を新しいリーダーと認めた、という。

 

 サルの世界でも男女平等化は進んでいる。

 

 日本の政界をはじめとしたさまざまな分野の女性進出は各国と比べてもかなり遅れていることを最近痛感するが、東京五輪・パラ組織委員会の森前会長の女性蔑視発言は記憶に新しい。

 

 この女性蔑視発言がきっかけとなったのか、東京五輪・パラ大会組織委員会の新会長には女性が選ばれた。

 世の批判を免れるために、取って付けたような交代劇に高崎山の雌ザル「ヤケイ」も唖然としたに違いない。

 

 政界でも産業界でも女性がトップに座するということがいまだにビッグニュースとなるような日本。

 

 一方、実力で群れのトップに立った雌ザル「ヤケイ」、そしてそれを素直に受け入れたサルの群れ。

 

 ジェンダー平等において、日本の政界・産業界は諸外国どころか、高崎山のサルにも一歩後れを取ったようだ。