今年の漢字は「金」、そのもう一つの見方

 2021年の「今年の漢字」に「金」が選ばれた。

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           (2021年12月13日 MBSテレビ「ゴゴスマ」より)

 12月13日、京都・清水寺森清範貫主が揮毫する最初の腕の動きを見た時、即座にこれは「金」ではなかろうかと思ったのも確かである。

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           (2021年12月13日 MBSテレビ「ゴゴスマ」より)

 なぜなら、今年は東京オリンピックで日本は過去最多の金メダルを獲得し、またエンゼルス大谷翔平選手の大活躍を思えば「金」という漢字が選ばれても当然だろう。

 しかし、私には別の意味をもって貫主が揮毫する様子を観ていた。

 

 1995年から始まった「今年の漢字」で「金」が選ばれたのは今回で4回目だという。
 この間、同じ漢字が選ばれたのはほかに「災」で2回である。残りの漢字はまだ一度しか選ばれていない。

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           (2021年12月13日 MBSテレビ「ゴゴスマ」より)

 こういうことを思えば、4回も選ばれた「金」に何かしら因縁めいたものを感じる。
 それとも余程日本人は「金」が好きな国民性だろうか。

 そういえば最近、国会議員や企業のトップに「金」に絡んだ不祥事をよく見聞する。

 

 「金」を読むとき、「きん」と言えば気品が感じられるが、「かね」と発言すればいやらしさが感じられる

 今年の漢字に「金」が選ばれたのは、東京五輪の日本選手や大谷選手の大活躍を考慮した結果、と表向きには言われているが私には別の皮肉が込められているような気がしてならない。

 

 それは「金(かね)」のためにコロナ禍にあるにもかかわらず強引に東京五輪を開催したIOCの幹部や日本政府、組織委員会を揶揄して「金」という漢字が選ばれたのかもしれない、ということである。

 

 IOC会長を称して「ぼったくり男爵」と言う言葉も今年の流行語として候補にあげられたが、今年の漢字に「金」を選んだことによって強引な東京五輪開催に不満を持った多くの人の溜飲を少しは下げることができたのかもしれない。

 2021年にはこういう理不尽なことがあったことを忘れるなよ、という意味で・・・。

 もちろんこの場合の「金」の読み方は「かね」であることは当然である。

 

 2021年ももう残りわずかである。

 

 私は前に、東京五輪開催の評価は早くて今年末、あるいは来年夏まで待つべきである、と記した。

 

 今現在、オミクロン株の感染拡大が懸念されている。


 このようなことも踏まえれば東京五輪で多くの金メダルを獲得し、今年の漢字でも「金」が取り上げられたとしても拙速な東京五輪開催の評価は避けるべきであろう。