多くの配布希望申請があったアベノマスク、一体何に使われるのだろう?

 昨年末、約8000万枚もの大量の在庫が問題となっていた「アベノマスク」について、厚労省は希望する自治体や個人に無料で配布すると決めた。

 

 その「アベノマスク」の配布希望申請が約2億8000万枚分もあったと、安倍晋三元首相が27日の会合で得意げに披露している姿がTVに映し出されていた。

 

 その数に少し驚きもしたが、よくよく考えればさもありなんという気もした。それは必ずしもマスクとして使われるだけではあるまい、と思ったからである。

 

 そう思ったのは次のようなニュースと昨年末に接していたことに起因する。

 

 関西に住む85歳の女性が「マスク」に罪は無いとしてアベノマスク5枚を使って産着に仕立てたという話である。

 

 布製のアベノマスクは前にも書いた通り、二つ折りにした布を5枚重ねていて市販の不織布マスクと比べても分厚い。
 この布製のアベノマスクの糸を丁寧にほどくと、縦26センチ、横64センチのガーゼ地になるようだ。


 アベノマスクを産着に仕立てた女性は「市販のガーゼより、織り込まれている糸が多く、布地がしっかりしている」と言っていた。

 

 不織布マスクと比べてウイルスの遮断が弱い布製で、かつ大人が使うには小さすぎるという難点のあるアベノマスクに多くの配布希望申請があったのは、ひょっとするとマスク以外の他の目的があるのではないか、と思ったのである。

 

 希望者に配布されたアベノマスクがマスクとしてそのまま使用されるのであればいい。

 またアベノマスクが本来の目的ではなくとも、産着にしたり、ガーゼとして配布希望者が個人的に使ったりしてもそれはそれで致し方ないとは思う。

 

 しかし、配布希望者の中にこのアベノマスクで儲けを企んでいる者が誰一人としていないと断言できるだろうか。

 

 今回のアベノマスクの配布希望者には材料費とか送料だとか一切の金銭負担は無い。
 極端に言えば、タダで手に入れた大量のアベノマスクを、原型かあるいはばらしてガーゼなどとして売ることができるのである。売れるかどうかは別として・・・。

 

 多くの税金を使ってまで行ったアベノマスク配布施策がもしこのような形で「在庫一掃しました」と決されるのは今一つ納得がいかないのである。