一つだけのシステムに頼ることの危険性
今回のKDDIの通信障害は日本国内に大きな影響を及ぼした。
この通信障害は7月2日の午前1時半ごろ、KDDIが通信回線のメンテナンスとしてルーターを古いタイプのものから新しいものに取り換えようとしたときに起きたという。
作業中に異常のアラームが鳴って、あわてて旧いルーターに戻したが異常は収まらず、これが大規模通信障害の発端となった。
その時間はわずか15分だったという。
通信量が少なくなる深夜を見計らってルーターの交換作業を行なおうとしたのであろうが、そのわずか15分でも大量の通信データが押し寄せてきたのである。
たとえ深夜であろと短時間の作業であろうと、現在の様な情報社会では大量の通信データが押し寄せるであろうという事前の予測がKDDIの関係者に希薄だったとしか言いようがない。
ルータ交換作業で滞った大量の通信データが発端となって通常の処理ができず、今回の様な大量通信障害となったのである。
今回のKDDIの通信障害のニュースを流すTVニュースの中で少しびっくりした場面があった。
それは、このような通信障害が起きた時、携帯電話の代わりに固定電話や公衆電話を使うことを勧めていることであった。
公衆電話の使い方があらためてテレビで流されるなんて思いもしなかった
(2022年7月4日 MBSテレビ「ゴゴスマ」より)
これ自体はおかしくもなんともないが、驚いたのは公衆電話の使い方を詳しく教えていることであった。
ああ、スマホしか知らない今の若い人たちの中には固定電話や公衆電話を見たことも使ったことも無いのだな~、と年代の差を感じたのだった。
ちなみに我が家では個別のスマホ以外に固定電話を今も使っている。ただその使用頻度は極めて低い。
スマホはそれぞれ異なった会社のものを使っている。
今回のようなことがあると、家族はできるなら異なった会社のスマホを持つこと、そして固定電話も持つことという二重三重の通信手段を持つ意味はあるのかもしれない。
今回の件で一つだけのシステムに頼りすぎることのリスクを改めて知ったのである。