これでは石破氏を圧倒したとは言えまい~自民党総裁選結果


 20日午後、自民党総裁選の投開票が行われた。

 その結果、安倍首相が石破元幹事長を抑えて総裁に選ばれた。

 各マスコミの事前予想でも安倍首相の圧倒的優勢が伝えられていたこともあって、この結果に驚きはしない。

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youtubeより

 しかしながら下記の結果でもわかる通り、安倍首相の得票が石破氏を圧倒するほどあったかというと、そうではなかった。
 
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2018年9月20日 MBSテレビ「ちちんぷいぷい」より

 首相の周辺では石破氏の得票を党員票と国会議員票を合わせて200票未満に抑え込みたいと考えていたという。

 ところが今日の投開票結果では、石破氏の得票は合わせて254票で、
200票を大きく超えている。

 一方、石破氏陣営では石破氏の得票が党員票で4割を越えればポスト安倍で存在感を示せる、と言っていたが結果的にはその4割を超えた。

 さらに石破氏が獲得する国会議員票は50票前後だろうと思われていたが、ここでも23票の上積みがあった。

 これは小泉進次郎氏が石破氏支持を表明したことも影響しているだろう。

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総裁選で投票する小泉進次郎
(2018年9月20日 MBSテレビ「ちちんぷいぷい」より)

 小泉氏以外の良識ある自民党議員がこの日の投票でどういう判断を下したか、興味のあるところである。
 
 総合的に見れば、選挙中に安倍派によると思われる種々の圧力を受けながらも石破氏は善戦したといえるのではないか。

 以上のことから、安倍首相が3年の任期を全うしようとそうでなかろうと、ポスト安倍として石破氏がより可能性を持ったことはまず間違いないだろう。

 安倍首相は今後、人事などの面で石破派を冷遇するかもしれない。

 「多様な自民党」ということを標語にするならば、そのようなことは絶対にあってはならない。

 有権者のわずか0.98%を占めるだけの自民党員によって総裁=総理大臣が決まるシステムが続く限り、党員以外の多くの国民がしっかりと監視しなければならないのは必然の理であろう。