消費税率10%に引き上げ時のポイント制に違和感を覚える


 「全員野球内閣」と名付けられて華々しくスタートを切った第4次安倍内閣だが、あらためて新閣僚らの今までの失言と、最近の不祥事を集めてみると以下の通りである。

第4次安倍内閣新閣僚らの今までの失言と不祥事
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閣僚らの写真は2018年10月7日 ABCテレビ「サンデーステーション」より


 さて、安倍首相は、来年10月1日から消費税を現行の8%から10%に予定通り引き上げる方針を決めたそうだ。

 その際、中小店舗などでクレジットカードを使用した場合、半年か1年の間は購入額の2%をポイントで還元して政府が補助することを検討するという。

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2018年10月15日 ABCテレビ「おはよう朝日です」より部分

 詳細なことはまだわからぬが、これを聞いて違和感を覚えた。

 まずクレジットカードというものを全国民が持っているわけではないこと。

 クレジットカードを持っている人とそうでない人の間に消費税の差を設けていいものかと。

 さらに納税という行動を、物を購入することと同じようにポイントの対象にしていいものかと。

 何か「納税」という行動が「軽い」印象を受けるのである。

 最近のポイントカードの流行に乗じたような発想も貧相に思える。


 買い物などでポイント集めるのが好きな人にはこの制度は魅力だろうが、今のところ10%消費税で取得したポイントが何に化けるのかはわからない。

 現金で還元だろうか。
 それとも次回の買い物で消費税部分がポイントで使える?
 それともふるさと納税のように日本の名産品で?、無いな。

 いろいろ考えているうちに、有効期限が切れてポイントが消滅するかもしれない。対象期間がわずか半年~1年である。そうなれば負担しなくてもよくなった政府は大喜びであろう。思惑通りになった、と。

 ポイントを貯めることに興味がある人は、すぐに使うことをせず、ずっと貯めこむ癖があるからポイント消滅のリスクは大きい。

 10%の引き上げ時には軽減税率というものも導入するらしいが、これさえも線引きがはっきりしていなくて、このままではいろいろな問題が起きることも考えられる。

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2018年10月15日 ABCテレビ「おはよう朝日です」より部分

 品目によって消費税率が従来の8%の場合と、10%に値上げする物に分かれるのは欧米でも取り入れられていて理解できる。

 しかし飲食物の場合、たとえば店内で飲食できる(イートイン)店で持ち帰りを希望すれば消費税は従来通り8%だが、店内で食事をすれば10%の消費税がかかるという。

 この場合、ひとりで2人分の物を頼んだ時に、ひとり分は店内で食べて、他のひとり分は持って帰る場合の消費税は8%と10%の計算になる。

 また客の中には、持ち帰りと言ったがやっぱりここで食べる(イートイン)という客もいるだろう。

 きっと店内のレジは複雑な計算で混乱するだろう。


 この時期に安倍首相が来年の10%消費税に言及した背景は、周到な準備を前もってしてもらうためだとか、来年の統一地方選挙参院選に及ぼす増税の影響を少なくしたいということが言われるが、どうもそれだけではないように思われる。

 ここへきて何か重要な問題から国民の目をそらす(俗な言葉で「目つぶし」)意図があるのではないか、と私は少なからず訝るのである。