森友問題の証人喚問、スケープゴートになるのは誰だ!


 参院予算委員会で始まった森友学園籠池泰典氏に対する証人喚問で、籠池氏は安倍首相の昭恵夫人からの100万円の寄付について、その時の具体的な状況を述べた。

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衆院インターネット中継より

 それによると 園長室で二人きりで封筒を受け取ったと言う。そしてそれを上から見ると金子(お金のこと)が入っていたと証言した。

 さらに、小学校認可について誰かに頼んだ覚えがあるかとの質問に、籠池氏は具体的に3人の議員の名前を言った。

 籠池氏は「東徹議員(維新所属の参院議員)、北川イッセイ先生(自民所属の元参院議員)、柳本卓治先生(自民所属の参院議員)」の名を挙げて、しばし沈黙の後、なお他の者の名を言い出そうとしたが思いとどまった。
 
 また籠池氏は、今回の結果に至ったのは松井大阪府知事がハシゴを外したためとも発言した。

 午前の参院予算人会の証人喚問における籠池氏の発言はかなり落ち着いていたようである。
 

 午後2時50分から始まった衆院予算委員会の証人喚問では安倍首相からの100万円の寄付の真偽について自民党委員から質問が出た。

 これに対して籠池氏のいくらか矛盾する答弁もあり、100万円の寄付の信憑性が揺らぐような委員の質問の仕方に、その質問者が警察関係の経験があるというのも合点がいく。

 このころから籠池氏の発言の様子に狼狽が見られたようである。

 安倍首相からの100万円の寄付についての質問が終わると、がらりと変わって国有地の格安な払い下げの質問に移った。

 こちらは主として大阪府の対応について問題があるのではないかという質問の仕方に変わった。

 籠池氏の証言には疑義を抱かざるを得ないという発言でもって自民党委員の質問は終わった。

 
 なるほど、やはり自民党は今回の問題をすべて大阪府に問題があるという流れにもっていっているな、と感じたのである。


 自民党は、今回の森友学園問題に関わるさまざまな疑惑に国は一切関係ない、という構図を作り上げようとしているな、とも感じる。


 しかし私たちは感じている。

 確かに籠池氏のやり方は私たちの常識を超えているし、今まで何度か前言を翻す行動もあった。

 籠池氏をまるっきりの善人というには躊躇する。

 森友学園の関わる今までの経過は常識では考えられないものだった。

 格安な国有地の売却や例外的な認可などの判断は個々の事案ではまれに起こりうることがあるかもしれない。

 しかし異常とも思えるこれら超法規的なことが、ひとつの法人に対して迅速に行われたのは偶然とは思えないのである。

 地方の一自治体の力だけでは到底考えられないこれらのことは、もっと大きな力が働いていなければ起こりえない。
 

 この日、改めて当時の財務局関係者など二人の証人喚問をすることが決まったが、直接関係のある安倍首相夫人や財務省の官僚などを証人喚問するべきである。

 松井大阪府知事などは、国会に行っても良い、と発言している。


 午後5時前に衆院の証人喚問は終わった。


 私たちの国有財産が一部の議員や官僚の恣意の下で簡単に処理されて国に損害を与える。

 今回の森友学園疑惑を完全に究明しなければ、将来また同じようなことが起きるのは間違いない。


 今日の証人喚問で、籠池氏は「トカゲのしっぽ切りは止めてほしい」と言った。

 籠池氏と地方の自治体をスケープゴートにしようとしている「頭の黒いネズミ」はどこにいる?

 その者たちこそ証人喚問に呼び出すべきである。