新幹線や地下鉄の運転停止は大げさか

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 先月29日に北朝鮮がミサイルを発射したと報じられたとき、北陸新幹線は緊急停止し、東京メトロは全線で運転を取りやめた。
 
 全国瞬時警報システム(Jアラート)も発動されていない段階でのこの対応について、一部では批判する声がある。

 また韓国では「大げさだ」と一部のメディアが驚きをもって報じている。

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 私はそう思わない。

 乗客の安全のために新幹線を停めたり運転を取り止める行為は、大雨によって川が氾濫する恐れがあるときに行政が強制的に該当地域の住民を避難させることと同じだと思っているからである。

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 さんざん苦労して避難したものの、川は氾濫しなかったし被害もなかったことをもって、強制的に避難させたことを批判するにあたらないのと同じである。

 幸いにも今回の北朝鮮のミサイルは失敗か試射か分からぬが、日本には飛んでこなかった。

 
 ミサイルが北朝鮮国内から発射されて日本に着弾するまでの時間は、およそ10分だという。
 
 Jアラートが作動するまでタイムラグがあるので、私たちがミサイル発射の情報を知り、避難を始めるまでの猶予時間は5分ほどだといわれる。

 こういうことを考えると、ミサイルの発射の情報にすばやく対応することがどれほど大切かわかる。

 そこに、ここは大丈夫だろう、という根拠のない楽観は禁物である。

 危機管理には多くのムダが発生することも考えられる。しかし、どれだけムダが生じても生命に優るものはないということである。

 そういう意味では今回の新幹線や東京メトロの対応は大げさだとは思えないのである。

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 確かに、この機会に乗じていたずらに危機をあおり、為政者の過剰防衛を助長するような発言や動きもある。

 その点については国民やメディアがしっかりと監視をしていかなければならないと思う。


 この時期に一番懸念するのは、現在のアメリカや北朝鮮の指導者の考えや行動に予測がつかないことである。

 これらの指導者たちの些細な行動によって、関係する国の行く末ー安泰か滅亡かーが決まってしまうという、きわどい時を私たちは過ごしているのかもしれない。