忘れちゃいけない森友問題
朝鮮半島が緊迫した情勢であるということに、ほくそ笑んでいるだろう
人たちがいる。
これらの人たちとは言うまでもない、あの森友問題に一切関わりがないと言ってきた安倍首相や財務省の官僚たちである。
籠池泰典前理事長が3月に国会の証人喚問に引き出されて証言したというのに、そこで名を挙げられた人たちはいまだ沈黙している。
こういう人たちは、ほかの事も同じような手法をとるのであろうか。
そんなこんなで4月になって、朝鮮半島がキナ臭くなりはじめた。
このことは国民の関心を外に向ける絶好の機会だ、と安倍首相は思ったに違いない。
朝鮮半島の緊張状態は最悪の結果にならぬ程度に続いてもらわないと困る、と安倍政権は考えているのだろう。
国内世論で支持率を失いかけた政権が常に取る常套手段である。
5月1日ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より
5月1日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より
これが事実だとすると、国有地に埋まったゴミ混入率47.1%の撤去費用8億円は大阪航空局が行ったとされた地価調査結果の資料と業者のヒアリング調査と資料ではじき出したという財務省の話は真っ赤なウソだということになる。
8億円値引きの根拠は森友学園側が算出した資料だったのだ。
5月1日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より
森友問題で真実を解明しようとしても、公僕であるはずの役人がこのような態度ではどこが民主国家といえようか。
日本国憲法第三章第十五条には
とある。
安倍首相とその政権は、自己に不利な態度を取る一般国民だけを証人喚問にかけるという非民主的な方法で、今まで野党が自分に行ってきたと非難してきたこと、つまり悪人という「レッテル」を今度は籠池氏に貼ろうとしている。
さらに安倍政権は、今度の緊迫した朝鮮半島の情勢を利用して、ことさら緊張を高めるような情報だけを発信し、国民の目を森友問題からそらそうとしている。
今、朝鮮半島が鎮まってもらっては困る、森友問題のほとぼりが冷めるまでもう少し緊張状態が続いてほしい、と。
トランプ大統領は今までの言動から、あまり後先を考えずに発言するのは周知のとおりである。
思ったとおり、これについてスパイサー大統領報道官は「条件が整っていない」と述べて、米朝対話の道は多少後退した。
これで朝鮮半島は今しばらく緊張状態が続くだろうと政府は胸をなでおろしたに違いない。
ところがどっこい、安倍首相が5月1日にトランプ大統領と電話会談したことがわかった。
電話会談の内容は、安倍首相がプーチン大統領と会談した内容の伝達などともっともらしく伝えているが、この電話会談のことが政府から公表されなかったことも踏まえて、会談の内容が本当はどういうものであったか、いろんな憶測を生むだろう。
ひょっとすると、米朝対話のことを安倍首相に伝えたか、そんな気もするのである。
いずれにしろ朝鮮半島情勢がどうであろうと、森友問題はそう簡単に忘れられるものではないということを記しておく。