安倍首相の記者会見と森友学園強制捜査
何も伝わってこなかった安倍首相の記者会見
6月19日 TBSテレビ 「Nスタ」より
通常国会の閉会を受けて19日に行われた安倍首相の記者会見を指して、この会見がお詫びから入ったのは「異例である」とNHKやあるコメンテーターが評価していたがそうであろうか。
確かに安倍首相が口にした事を文字にすれば、「お詫びしなければならない」「深く反省している」「つい強い口調で反論してしまった」「国民の不信を招いた。深く反省しなければならない」などだが、しかし深々と頭を下げるでもなく、ふんぞり返ったようにしてお詫びの言葉を述べる姿に苦笑してしまった。
6月19日 TBSテレビ 「Nスタ」より
「お詫びしなければならない」という言葉は本来はお詫びする本人が言う言葉ではない。
周囲の人たちを睥睨しながらその言葉を口にしている安倍首相を見ると、一体お詫びするのは誰なんだ、と思ってしまう。
心底からのお詫びというものは、その姿だけを見ていても、その声だけを聴いていても、じんと伝わってくるものである。
「お詫びする」「深く反省」「真摯に対応」「丁寧に説明」等々、何百回、何千回口にしたとしても、心が伴わなければ何も相手に伝わらない。
安倍内閣の支持率が急減して、あわててとってつけたようなお詫びの言葉だけを今更口にしても、もう遅い。
質疑したメディアは?(6月19日 TBSテレビ 「Nスタ」より)
この日の記者会見で気になることがあった。
それは質疑する記者は挙手してスタッフの指名を受ける形式をとっていたが、指名されて質問する記者たちはいずれも安倍首相と相性の良い会社ばかりなのである。
また、質問の趣旨は事前に通告するのかどうか知らぬが、記者の質問を受けて安倍首相がたびたび手元の原稿に目を落とす仕草が気になった。
そのことにどうも違和感を覚えたが、その後の民放テレビでも質疑したメディアがどこであったかを話題にしていた。
「やらせ」とまでは言わぬが、こういう記者会見を見ると、トランプ大統領の記者会見と比較したくなる。
いずれにしろ、安倍晋三という人間がどういう人なのか、日本国民の誰もがはっきりと知ることになった今国会でもあった。
これとは別に、国が不当に安い価格で国有地を売却して国に損害を与えたということでも告発を受理しているが、こちらの進展具合は全くわかっていない。
しかも捜査を夕刻になってから始めるというこのタイミングは何を意味するのか。