もし失言した防衛大臣が男性だったら・・・


 この4月に、今村前復興相が「東北で良かった」などと発言したことを聞いた安倍首相は迷わず「更迭だな」と口にして事実その通りになった。

 今回の稲田防衛大臣の失言に対しては何と優柔不断なのであろう。
 いや失言というものではない、許せない失態だ。

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 当時、今村氏が更迭されたことに対して二階幹事長が「いきなりだとは!」と苦情を述べたが、今回の稲田防衛大臣の失言に対する安倍首相の対応に、二階氏は苦々しく思っていることであろう。今村氏のときと比べて違いすぎると。

 その影響かどうか、二階幹事長は30日、自身の都議選の応援演説が「差別的な発言」とマスコミに報道されたことに対し「(マスコミに対して)落とすなら落としてみろ」と吼えた。さらに二階幹事長は「われわれはお金を払って(新聞を)買っている。買ってもらっていることを忘れちゃダメじゃないか」とも言った。

 なんだか自分の発言が問題視されることを望んだようなここ数日の二階幹事長である。

 一方の安倍首相も30日、「いろいろな報道によって、政策がなかなか(国民に)届かなくなっている」と報道に対して不満を漏らしたという。

 安倍首相も、二階幹事長も、自分たちにとって不利な出来事の原因をマスコミに転嫁し始めたようである。

 まてまて、マスコミに対する安倍首相と二階幹事長のこれらの発言は、ひょっとしたら稲田防衛大臣の失言問題から目をそらさせようとする「目くらまし」じゃないのかな?

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 さて本題に戻る。

 東日本大震災の犠牲者を傷つける発言をした今村氏と、憲法自衛隊法、公職選挙法の違反の疑いがある稲田防衛大臣の発言は国民としてどちらも看過できないものである。

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(6月30日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 一方の今村氏はすぐさま更迭されたが、今回の稲田防衛大臣の失言に対して政府は「しっかり説明責任を果たし、今後とも誠実に職務にあたってもらいたい」(6月28日、菅官房長官)という甘~いお咎めだけで済まそうとしている。

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(6月30日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 もし防衛大臣が男性であったなら、同じような失言に対して安倍首相はどんな対応を取っただろうか、と興味が沸く。

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(6月30日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 誤解を恐れずに言えば、 今回の稲田防衛大臣の失言に対して安倍首相がとった行動は、いわば男女の逆差別ではないかと思う。すなわち、今村前復興相には厳しく、稲田防衛大臣には甘く。

 マスコミのコメンテーターは、それは安倍首相が将来の総理大臣として大事に育てているから、とかいろいろ言っていたが、今となっては総理大臣どころか国会議員としても?が付くほど、到底その器で無いことははっきりしている。資質に問題があるのだ。

 都議選の投開票を直前に控えたこの重要な時期に、この防衛大臣の失態は絶対に許されないことである。なのにこの甘い対応は何だ、と思う。

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安倍首相は稲田大臣が答弁に詰まると「駆けつけ警護」に出てくる
(6月30日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 もし、防衛大臣が男性であったならば、恐らく安倍首相は即座に罷免していただろう、と確信するのである。