「if もしも」で試算した読売新聞の都議選結果!?


 1993年にフジテレビ系列で半年間放送されたオムニバスドラマに「if もしも」(いふ もしも)がある。

 たとえ奇想天外な設定であってもこの世に絶対ありえないとはいえない、「世にも奇妙な物語」の終了後に放送されたドラマであるが、それに等しい内容の記事が今朝(2017年7月9日)の読売新聞に載った。

 それは新聞の4面に6段の記事で下のような内容である。

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(2017年7月9日付け 読売新聞朝刊から)

 それは「もし先日の都議選で公明党自民党に協力していたら自民党は都議会で都民ファーストに続き、単独第二党になっていただろう」という、読売新聞が独自に試算した結果である。

 試算によれば「都民ファ」の議席は実際より10減の45に、自民党議席は12増の35になっていただろうとしているが、それでも自民党議席は過去最低である。

 記事は、「公明票」の行方が自民党議席数を大きく左右する、と結論付けているが、これは公明党員に対する読売新聞、それとも自民党上層部のメッセージだろうか。
 
 都議選で大敗した自民党が選挙の総括あるいは自身を慰める意味で「if もしも」と試算をするのならともかく、公的なメディアとしての大新聞が「本紙試算」と断わりはしているものの、紙面第4面に、しかも堂々3段抜きの見出しで「自民党第二党」などと掲げられたら、おそらく誰もが驚いてしまうだろう、都議選では自民党が単独第二党になったのか?と。

 IF=もし(私もここでifを使わせてもらうが)、前川前次官の「出会い系バー」報道をした読売新聞が、都議選で惨敗して落ち込む自民党に対して、それを慰めるような意図でこのような試算をして報道したとしたら、それこそ笑止千万である。

 もしそうであるならば、自民党だけでなく、これからの選挙で惨敗して落ち込んでいる党があったときには、今回と同じように「if もしも」としてその党に有利な条件を設定し、試算をして結果を読売新聞で報道してもらいたいものである。

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 今回の都議選の結果は、今更結果がひっくり返るわけでもないし、こうして読売新聞が自民党に有利な条件を加えて、その結果にある程度満足したとしてもそれは自慰以外の何物でもない。

 わざわざ大きな紙面を割いてまで読売新聞がこのことを報道する真の目的は何だったのだろうか、と今考えているところである。

 読売新聞が「if もしも」で試算した結果はドラマ「if もしも」よりも奇なり、である。