「今治市」+「獣医学部」=「加計学園」ではないのか?
7月25日の閉会中審査の風景
(参院インターネット中継より)
24、25日と開催された衆参予算委員会閉会中審査を見終えて、言えるのは政府側の答弁は相変わらずだということだ。
稲田大臣の手に注目
この日は答弁する安倍首相を見る稲田大臣の手の動きが不自然だった
(いずれも衆院インターネット中継より)
安倍首相の言葉遣いはいつもより丁寧なようだったが、だからといって丁寧な説明だとは限らない。
安倍首相の答弁の内容がストン腑に落ちることが全くないのだ。
自分が行ってきたことに「一点の曇りも無い」と安倍首相は断定した言葉を使うが、その理由を説明しない、というより説明できないでいる。
どこを指して一点の曇りが無いというのだ。
不思議なことにこの言葉を他の閣僚や役人が盛んに使っていたのが白々しい。
「一点の曇りも無い」、その言葉だけが空(くう)を舞っている。
政府が言う「丁寧に説明」だとか「真摯に対応」とかいう言葉が空疎に聞こえたものだ。
たとえば、「いつ加計学園の申請を知ったのか」という野党の質問に、安倍首相が「今年の1月20日」と答えたものの、その後に安倍首相自身が過去に答弁した内容と矛盾することに野党から指摘され、おおわらわで発言の訂正を行ったことも政府の答弁がいかに雑かということを象徴するものだった。
安倍首相は「混同した」というが、そんなことはありえない。それはつい最近の国会答弁で、はっきりと述べていることからでもわかる。
実際は1月20日以前に安倍首相は知っていた
(7月26日 ABCテレビ 「羽鳥モーニングショー」より)
そのことを知った上で、安倍首相は正式に決まった以降の1月20日の日付を持ち出したのでろう。
なぜなら・・・(下図)
(7月26日 ABCテレビ 「羽鳥モーニングショー」より)
しかし、それは余りにも稚拙な発想で、自ら墓穴を掘ったといえよう。
この安倍首相の答弁姿勢は政府関係者にも伝染しているようだ。
2015年の4月、今治市の企画課長と課長補佐が官邸を訪問し、当時首相秘書官だった柳瀬唯夫審議官に会ったというが事実かという野党の質問に、柳瀬氏は「記憶に無い」と7回も繰り返した。
当時秘書官だった柳瀬唯夫審議官は「記憶によれば会っていない」
(7月26日 ABCテレビ 「羽鳥モーニングショー」より)
この開き直った行動に、霞ヶ関では「これで次官昇格だな」という声が聞かれるという。
一面のトップ記事の解説欄には前川喜平前次官と和泉洋人首相補佐官の二人の食い違いについて、「いずれも『加計学園』とは口にしていなかったことが明らかになった」と記し、さらに続けて「『加計ありき』は前川氏の思い込みと自民党議員は指摘する」とある。
(読売新聞 7月26日付け朝刊↑↓)
まてよ「思い込み」この言葉はたしか昨日の参院でも聞いたことがある。
そう、それは昨日の参院の閉会中審査の場であった。
青山氏の質問に答える前川前次官
(参院インターネット中継より)
読売新聞の記事と自民党青山氏の発言がある言葉「思い込み」で一致するのはなぜか。
政府は、「加計ありき」は前川氏の「思い込み」で加計疑惑を片付けようとしているのだろう。
確かに前川氏は「加計」という具体的な言葉を和泉補佐官やそのほかの関係者、そして文書などから聞いたり見たりしたとは言っていない。
もし「加計学園」でないとしたら、他にどのような学校名が考えられるのか、安倍首相をはじめ政府関係者にお聞きしたい。
安倍首相がたとえ「加計学園」という言葉を一度も周囲に発していなくても、獣医医学部の新設置条件を変えたり、開学時期を早めたり、あるいはその他のいろんなことで「加計学園」の方にドリルの穴を空けて、かつ関係部署にプレッシャーをかけることはできるのだ。
そうだとすれば、「加計学園」という言葉を口にしていないから「指示などしていない」という結論を導こうとする安倍首相は、行政をゆがめた確信犯だといえよう。