野田聖子総務大臣の「卑怯」発言

 今度の内閣改造総務大臣に就任した野田聖子氏は8日、新聞社のインタビューに応じ、その中で「外から首相を批判するのは卑怯だ」と述べたという。


 この野田氏の発言をもっと詳しく記すと

 「同じ自民党の中にあって、私たちは基本的には仲間だ。良いときはともかく、非常に苦しんでいるときに外から批判する、いたずらに今いる総裁を批判して、仲間が政権を弱くするというのは、私は卑怯(ひきょう)なことだと思う」

 このことからわかるように、「外」とは閣僚以外の自民党の議員(一般党員もか?)を指すことと思われ、そういう人たちが総裁を批判することを「卑怯」だと言っているのである。


 この野田氏の「卑怯」発言は、閣外の者はごちゃごちゃ言うな、総裁に何か言いたかったら閣僚になってから言えよ、とも私には聞こえるのである。

 つまり自民党の仲間だったら総裁を批判するな、と言っていることであり、いかにも安倍首相に忖度した発言ではないか。

 さらにもっと穿った見方をすれば、野田氏は総務相に就いてからも「総裁選挙には出るつもりでいる」と発言をしており、閣僚であればたとえ総裁に抗(あらが)った発言をしたとしてもそれは「卑怯」ではない、と自身の発言を擁護したかったのかもしれない。

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 この野田氏の「卑怯」発言は、加計学園疑惑で文部科学省を辞めた前川前事務次官が「加計ありき」などと告発したことを菅官房長官らが「何故現職のときに言わなかったのか」と批判したことと相通じるものがある。

 誰に対してもはっきりものを言う野田氏が入閣したときは、「安倍政権が少しはまともな政権へと軌道修正するきっかけになるかもしれないな」と、ほんのちょっぴり期待したが、今回の「卑怯」発言でこれは消えたのかも。