この日本で恐怖政治が始まろうとしている


 約1年半にわたって北朝鮮に拘束された米国人学生のオットー・ワームビアさんが意識不明の状態で米国に帰国して数日後に死亡した事件はまだ記憶に新しい。

 北朝鮮に拘束されていた間、オットー・ワームビアさんの身に一体何が起きたのか、死者は語らずである。

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 過日、豊中市の国有地に建設中だった問題の学校を見てきた。          
 何事もこの目で見ないと始まらない。                     
 建物はほぼ完成し、後は内装だけのようである。                
 思いのほか立派な建物で、周辺の住民はこれを残すよう要請しているが      
豊中市は難色を示しているという。                     
 安倍首相にとって、いやな思いがある物はこの世から消し去りたいのかもしれない。

 森友学園の前理事長・籠池泰典とその妻が補助金搾取などの容疑で昨年7月、大阪地検特捜部に逮捕され、保釈も認められないまま7か月が過ぎた。

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学校の東側には道をはさんで豊中市の「野田中央公園」がある。

 籠池泰典氏は窓のない独居房に入れられ、取り調べがあるとき警察官が来るのは朝の9時から夜6時の間だからその時は時間の見当がつくが、あとは部屋の電気が点くことで朝昼がわかる程度だという。

 一方の妻の諄子さんは窓はあるがエアコンのない旧館に収容されているという。

 さらに籠池夫妻は家族との接見も禁止されている。

 籠池夫妻はこのような環境の中で7か月も勾留されているのである。

 検察は証拠品の押収や関係者の聴取も終えていて証拠隠滅や逃亡などの恐れはないにも関わらず、裁判所は保釈の申請を却下している。

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建物には「瑞穂の國 記念小学院」の文字が取り付けられていた。

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 私は考える。

 窓のない、そして夜も昼もわからない独房に何か月も閉じ込められたら人間は一体どうなるのだろうか、と。

 日本は三権分立が確立された民主国家である(と思う)。

 しかし、この籠池夫妻の長期にわたる勾留は何を意味しているのであろうか。


 前理事長の籠池氏の性格を思うと、裁判でも始まれば誰も彼らの口をふさぐことは難しいだろう。

 その内容は安倍政権にとって好ましからざるものになるだろう。

 理不尽なこの長期勾留は籠池夫妻にどんな精神的苦痛を与えているのだろうか。

 こいうことを考えると、先に記したあのオットー・ワームビアさんのことが重なってみえるのである。

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いたるところに「国有地」の札が掲げてある

 多くの日本国民は、日本は北朝鮮や中国などの周辺国と比べてはるかに自由で近代的な民主国家と思っているだろうが本当だろうか。
 

 この籠池夫妻の異様な長期勾留をみてもわかるとおり、今日本では目が届かない所でじわじわと恐怖政治の網が広がっているのかもしれない。


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おそらくここが正面玄関だろう。   
しっかりとシャッターが閉まっていた。

 1930年代に「特高特別高等警察)」と言われた組織が多くの善良な人間たちを、自分たちの思想と異なるとして長い間牢獄にぶち込んだ。その中のある者は発狂し、ある者は病で死んでいったその地獄のような有様を見ながら、自分が体制側の重要な立場にいるとして反対の声を上げられなかった父は、後に涙を流し、懺悔しながら病の床で私に語って逝った。まだ60台の若さだった。


 当時の私の家にはいくつも神棚があり、どの部屋にも今上天皇のお写真が飾られていた。

 あれほど体制に従順で頑固で一途な父が、当時の社会を批判することができるのはこの世を去る時しかない、と考えていたのかもしれない。


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建物の東南一角は豊中市の公園「野田中央第二公園」となっている。

 権力を手中にした者がそれをどのように使うかはその人物の人間性に左右される。


 権力者は物言わずとも、その場に居るだけで周囲に影響を与える。

 権力者は明確な命令や指示はしなくとも言葉の端々にそれとなく匂わせば、側近はその意味を理解し、権力者の意思に沿うような行動をするのだ。


 以心伝心を巧妙に駆使しているのが安倍政権だといえる。

 なぜなら森友問題や加計問題では「忖度」という言葉が盛んに使われているからだ。
 これほど頻繁にこの言葉を使われた政権は今までにない。

 本来は国民のための権力を、あろうことか保身や仲間内だけの利益のためにそれを使うのは天に唾することと変わりない。


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 籠池夫妻がこれ以上拘留される理由はもはや無い。

 それができないならば、長期拘留する明確な理由を裁判所は公表すべきであろう。