森友問題、決裁文書の改ざんは事実か


  森友問題で契約時の決裁文書が書き変えられたのではないかという野党の追及に対して、財務省はずさんな対応をしている。

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決裁文書のコピーは過去開示の文書と同じ

 7日、財務省は8日朝の参院予算委員会理事会で決裁文書のコピーを提出するするということであったが、結局そこで提示された文書は、野党が事前に危惧した通り、すでに過去に国会に開示されたものと同じものだったという毎日新聞 デジタル編集部 2018年3月8日 09時37分ー最終更新 3月8日 09時57分より、太字は筆者)。

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  この結果、8日9時に予定されていた参院予算委員会はこの財務省の対応を批判する民進党など野党が欠席して、9時20分ごろに開催されたようである。

 しかし私はこの予算委員会を視聴しなかった。

 なぜなら、いまや批判精神が全く欠けた与党と、その提灯持ち質疑のような「ゆ党」の論戦をわざわざ見聞きしたいとは思わない。

 早々に国会中継のネット回線を切った。

 主力野党が欠席しての参院予算委員会。それこそ仲間内の「ぬるま湯的な論戦」で、議論に時間を費やしたという実績つくりのための単なるポーズである。

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文書改ざんは事実か 

 安倍政権は今回の決裁文書の書き換え疑惑を「朝日新聞の勇み足」という状況に作り変えようとしているようにも見える。

 しかしながら、朝日新聞が決裁文書と過去に国会議員に開示した文書の内容で、どの箇所が違っているのかを具体的に指摘できるのはなぜだろうか。

 一部の説によると、財務省の職員のリークがあったとも言われる。

 財務省の要を得ない答弁、朝日新聞の具体的な指摘、そしてもしこれらが事実であれば森友学園の国有地売却の今までの疑問がすべて納得できるということを考えれば「決裁文書の改ざんは事実ではないのか」と私たちが思う理由である。

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 もし「改ざん」が真実でないなら財務省朝日新聞が報じた3月2日の早い時点で、「事実無根」と明快に表明し、決裁文書の原本(あるいは写しでも構わない)を示せば済むことではなかったのか。

 たとえ大阪地検に提出されたものであっても、原本の一時返却あるいはコピーは可能であることは法曹会では周知の事実である。

 たとえば国政調査権は捜査中ということを理由に検察庁は拒めず、プライバシーの問題が浮上すれば、捜査の重要性と国会の求める重要性とのバランスで決まる。

 初期の段階で、財務省大阪地検から原本を一時的に返してもらうか、複写を取るなど、なぜそういう方法を財務省は取らなかったのか。

 その点が疑惑を増大させたことになった。


検察庁と裁判所は違う

 どうも財務省(だけに限らないが)は、検察庁と裁判所を意図的に混同させて「三権分立」の原則から検察庁に対して自分たちは勝手に手が出せないと思い込ませている節がある。

 原本が大阪地検にあっても国会に提出できないことはないのである。


 稚拙な財務省の一連の対応には、誰でも大きな疑問を感じるだろう。

 文書の存在は確認できないと言ったり、財務省には無いと言ったり、原本は大阪地検に提出したと言ったり、答弁の内容に論理性が全く感じられないのである。

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 一時は、今回の「決裁文書の改ざん疑惑」は単に朝日新聞に打撃を与えるためのエサで官邸の策略かもしれない、と考えたりもした。

 それにしてはあまりにお粗末すぎる財務省の対応をみると、やはりこれは契約時点の文書が改ざんされて国会議員に開示されたのだな、とますます思わざるをえなくなってくる。