近畿財務局職員自殺と佐川国税庁長官の辞任


 心配していたことが起きた。

 財務省近畿財務局で森本学園と国有地売買交渉に関わっていた部署の男性職員が7日、神戸市の自宅で自ら命を絶った。

 遺書を残していたというが、その内容はまだ明らかになっていない。

 その遺書には「上司から(改ざん)をやらされた」という文章と、改ざん前の文書が残されていた、というがまだ真偽のほどはわからない。

 さらにこれらの遺書の内容と自殺の状況を公表することに対して、財務省から何らかの申し出が遺族にあったといわれるが、財務省は個人情報を盾に説明を拒んでいる。

 
 男性職員は昨年秋ごろから身体不調で休職していたという。

 おそらく文書の改ざん問題に関することであろうが、最近は登庁して聞き取りに応じていたという。

 男性職員が亡くなる7日の直前には財務省が近畿財務局で、決裁文書に関わった職員に聞き取りを行ったという。


 このようなことから、今回の決裁文書改ざん問題で財務省は近畿財務局と男性職員に責任を転嫁しようとしていたのではないかと想像するに難くない。

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 佐川国税庁長官の突然の辞任はこの男性職員の自殺が理由であろう。
 
 長官になって初めての会見をした昨日9日、木で鼻をくくったような発言をした佐川氏はとくに核心に触れるようなものは何もなかった。

 それより、自殺した男性職員に対して何らの言葉もなかったということはいみじくも佐川氏の人間性を疑うものであることとなった。

 かつての部下であった者が命を絶った、少なくともその遠因は自分にあると思わなかったのであろうか。

 佐川氏のお詫びは 国会を混乱に陥れた責任だけに対してのものだった。

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 安倍政権が望むことは、文書改ざんの問題などの幕引きを早くしたいということだろう。

 そして考えたくもないが、佐川氏の辞任と男性職員の自殺をプラスに捉えたことだろう。

 なぜなら安倍首相は佐川氏を更迭せずに済んだ。そして改ざん文書の件は自殺した男性職員のせいにすればいいのだから。

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 私たちは何が正しくて、何が悪いのか、判断できる。

 悪事にも、許されない悪事と、見過ごしてよいような些細な悪事がある。

 国政に関わる悪事はどちらに属するか、誰にでもわかる。


 もはや、人間として自浄作用が完全に欠如した政権は日本の國に必要としない。

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 ひとりの人間の命が失われた。

 安倍首相や麻生財務大臣がまず一番にやることは、亡くなった男性職員に心からの哀悼の言葉や、ご遺族の方に対して慰めの言葉をかけることではなかったか。

 
 人間の心を無くした政治家は必要ない。

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 ご遺族が今どのような心境で過ごしておられるか。

 もし私がその立場だとしたら、残された遺書とその内容、そして一緒にあった改ざん前の文書をどのようにするだろうか。

 おそらく上から大きな圧力があるだろう。
 「遺書の内容や改ざん前の文書は外部に絶対漏らすな」と。


 しかし、遺書と改ざん前の文書をわざわざ一緒に置いて自殺した男性の意思はそうではないだろう。


 「これを世間に公表してくれ・・・」ではないだろうか。


 故人の意思を尊ぶことが一番の供養になるだろう。



 亡くなられた男性職員のご冥福をお祈り申し上げます。