もっと早く認めていたら職員は死なずに済んだ~決裁文書改ざん

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 財務省は森友問題で契約時の決裁文書の「改ざん」を認めるようである。

 何を今更、と言いたい。

 国会で取り上げられた早い時点で「改ざん」を認めていたら、近畿財務局の職員は死なずに済んだはずである。

 (新聞報道やTVで多くが「書き換え」と表現しているが、私はより悪意のある「改ざん」と表現する)

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 文書が手元にないとか、原文は大阪地検に押収されたとか、ちぐはぐな財務省の答弁で無駄な時間が経過し、その間、自殺した男性職員は相当なストレスを抱え込んでいたと思われる。

 死亡した男性の知人によれば、本人は正義感が強く、自分にも周囲にも厳しかったという。

 そういう主義主張を貫く者にとって、事実と異なる行動をとることには耐えきれなかったのではないだろうか。

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 安倍首相は10日、福島県の道路開通式典に出席し、その後の報道各社のインタビューで「改ざん文書」のことに触れ、「来週早々(3月12日~)には結果についてお示しできるように麻生大臣をはじめ財務省を挙げて取り組んでもらいたい」と語った。


 安倍首相は、おそらく"財務省は完璧に私のコントロール下にあり、改ざん文書について問題の解明に真剣に取り組んでいますよ” と東日本大震災の被害地からマスコミを通じてパフォ-マンスを行ったのである。

 その言葉に呼応するようにその日の夜、財務省は来週月曜日(12日)の国会で文書の「改ざん」を認める方針であると発表した。


 安倍首相はTVカメラがどの位置にあるか、常に気にしているようである。


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 安倍首相をはじめ麻生大臣、財務省の官僚たちは「改ざん」が事実であり、そのすべてをとっくに知り尽くしていながら、国会での答弁では何度も「調査する」という言葉で無駄な時間を使った。


 その間に、近畿財務局の職員が自殺に追い込まれてしまったのである。


 一見、何の関係もないようなふるまいや行動で疑惑の核心から国民の目をそらすことは安倍首相が最も得意とすることで、福島での安倍首相の発言もその日の財務省の改ざんを認める発表も事前のシナリオに基づいたものであろう。


 12日の国会では財務省が本当に改ざん前の決裁文書を提出するのか、またその文書が本物か、その真贋を確かめる必要があるだろう。

 そのうえで、決裁文書の「改ざん」を指示したのは誰が、いつ、どのような理由で行ったのか、それが解明されなければならない。

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 退職した元理財局長の佐川氏だけや、まかり間違っても自殺した職員に責任を転嫁させるようなことがあってはならない。

 
 もし安倍政権を一日でも存続させたいと思うなら、その一番の解決法は佐川氏を国会の証人喚問にかけることであろう。

 自民党の森山国会対策委員長は言う。
 「一般人になったからそれは難しい」ですと?

 それでは一般人である籠池康博・元森友学園理事長を証人喚問できたのはなぜだ?


 この決裁文書「改ざん」問題を早急に解明し、責任の所在を明確にすることが今国会に求められていることだと思う。

 でなければ、国会で今後提出される資料などについて、その真贋をいちいち確かめなければ審議を進めていくことができない事態に陥ってしまうだろう。


 いずれにしても、国会に提出される資料が改ざんされるという、国会史上まれにみる不名誉な出来事が今の安倍政権の下で起きたのである。