隠れた才能は何時かは花開く


 昨日の全国高校野球選手権大会第8日第3試合の星稜x済美の試合には
したたか痺れた。

 わが故郷の高校は20数年ぶりの甲子園出場だったが、早くも一回戦で敗退した。

 その後はちらちらと他校の高校野球をテレビ観戦していたが、昨日の星稜x済美の試合が9対9の同点で延長十三回タイブレークに入った時からは、さすがにテレビ画面から一時も目を離せなかった。

 その十三回表に星稜が2点を追加して11対9としたときはほぼ決まりかな、と思った。

 その裏の済美の攻撃で無死満塁となって済美矢野功一郎内野手(3年)がバッターボックスに立った時、ここで星稜が0点に抑えるのはきついだろう、この状況では済美に少なくとも1点は入るかも、うまくいけば同点になるかも、と思った。

 しかし、人間の予想なんていうのはちっぽけなものだ。

 なんと矢野選手の打球は右翼ポールを直撃する、大会史上初の逆転サヨナラ満塁本塁打だった。

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点を取ったり、取られたり、両校の善戦を物語るスコア
(2018年8月12日 ABCテレビより)

 こんな劇的な幕切れを誰が予想しただろうか。

 済美の監督に言わせれば、矢野選手は「打球が飛ばない子だった」という。

 そういう選手が「大会史上初の逆転サヨナラ満塁本塁打」を打ったのだ。

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激闘を終え、球場に向かって深々と頭を下げる済美高校の選手たち
(2018年8月12日 ABCテレビより)

 どんな人でもそれまでの業績だけで評価してはいけない。

 その人にどんな優れた能力が潜んでいるか、それがわかるのは時と場所と機会と、そして優れた指導者が居て、それらがぴったり合ったときだということをしみじみ思ったものだ。