元「モーニング娘。」のひき逃げ事故で見た考えさせられる光景
自転車に乗った女性が横断歩道を渡ろうとしている
(2018年9月14日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
そこへ吉澤ひとみ容疑者が運転していたとみられる白い車が
女性の乗った自転車を撥ね飛ばす直前の映像
(2018年9月14日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
吉澤容疑者は「駐車車両で車を停められなかった」と言うが
この映像で車道には駐車している車などないことがわかる
(2018年9月14日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
それを見ると、信号が青になって横断歩道を渡ろうとした自転車とその向こうの男性が、吉澤ひとみ容疑者が運転していたと思われる白い車に撥ね飛ばされる瞬間が映っている。
車が自転車を撥ね飛ばした瞬間の交差点の信号は赤で
右折の矢印が点灯していた
(2018年9月14日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
横断歩道を渡っていたほかの歩行者はこの事故の直前まで普通に歩いていたが、目の前で起きた事故に驚き、慌てて歩道に引き返していた。
尾木ママは、「現場にいた人たちが被害者に駆け寄ることもなく立ち去っていく光景」に「まるで子供たちのいじめの世界の構図とそっくり」と言い、クリス松村は「誰ひとりとして、はねられた人のもとに行かないで駅へ向かう姿に哀しみを覚えた」と言っている。
映像を見る限り、事故が起きた瞬間に横断歩道を渡ろうとした人たちは数人ほどで、恐らく小学校高学年のようだ。私の目には、大人は横断歩道にいなかったようにみえる。
ただ歩道の遠くに大人らしき人がいるが、この事故に気付いたのかどうかわからない。
この映像に映っていない人たち、それも大人たちがどれほどいたのかわからないが、そんなに多くはないように思える。
そういう人たちはなぜ言語道断と言われるのか、同じような運命に自分が遭遇したときにしかわからないかもしれない。
私は、尾木ママやクリス松村の言うことはもっともだと思う。しかし、現場に居た大人たちに非難を向けるのは当然だとしても、学校へと急ぐ小学生(あるいは中学生だったかもしれない)にまで批判するのは酷だと思う。
彼ら(彼女ら)は学校に遅刻をしないことが最優先だと、家庭や学校で長い間躾けられてきた。
弱い者、傷ついた者を優先して助けるという人間として当たり前のことを幼いころから受けていなかったこともあるだろう。
子供たちは、突発的な出来事に遭遇した時、遅刻しないよう学校へ急ぐか、それとも人を助けるか、その優先順位を変えることができるほど人生経験を積んでいないことも原因であろう。
だからといってそれで良いとは思わぬ。
目の前に助けを求める人がいたなら、たとえ子供であろうと大人であろうと、人間であるならば本能的に駆け寄っていく行動が求められる。
親たちが勉学の領域だけでなく、人生において何が最も優先されなくてはならないかを子供たちに教えていくことを怠っていなければ、このような哀しい光景を目にすることはなかっただろうと思うのである。