10%消費増税は日本を破綻させる~景気後退はすでに始まっている
景気後退はすでに始まっている⁉
このことは「2012年12月からの景気拡大が1月で戦後最長の6年2ヵ月に達した」と示した政府の見解と矛盾する。
これについて、7日の記者の記者会見で菅官房長官は「景気は緩やかに回復しているという認識に変わりはない」と述べた。
なんというのんびりした検証だろうか。
多くの国民は、実感として景気が回復しているとも、回復基調にあるとも思えない、というのが実際のところではなかろうか。
軽減税率やポイント還元制の効果は一時的、限定的
このような状態で政府はこの10月に消費税率を10%に引き上げようとしている。
先の消費税8%増税ではどれほど国内の消費活動が抑制されただろうか。
10月に消費税が10%に引き上げられた場合、たとえ軽減税率制度やポイント還元制が導入されたとしても、それらの効果は一時的かつ限定的なものであろう。
たとえば、小店舗がこれらの制度のために新たな決裁機器を導入した場合、たとえ政府の補助があるとしてもそれ以上のコストをどうやって吸収するのか。
おまけにポイント制度などは期限があるのである。
期限を過ぎてもポイント還元を終えていないこともあろう。
また小店舗の店頭における会計の場合、今までより煩雑な処理と判断が必要になってくるだろう。
それらの人力は目に見えないコスト増である。
東京五輪に目を奪われてはならない
ある大きな催しー東京五輪を目前にすると五輪に無関係なそのほかのことが些細に思われて目に入らなくなるという日本人の特性は今も昔も変わらない。
果たしてそれでよいのだろうか。
消費増税の影響は2020年末頃から現れるだろう
2019年10月の消費増税導入時は、軽減税率制度やポイント還元制などの物珍しさもあって消費は多少伸びるかもしれない。
しかし、そのようなことは一過性の現象で恐らく1年もしないうちに消費行動は抑えられてくるだろう。
何しろ本体価格の一割が税金として上乗せされるのだ。
これは199円だとか、2,980円だとか、価格の末尾に「9」や「8」などの数字が付くと「安い」という感覚があるが、「10%」つまり「1割」はこれと逆の「高い」という感覚を消費者に起こさせるのである。
もうはるか昔の話になるが、銀行に預けた預金の利息が0.09%や0.08%よりも0.1%のほうがとてつもなく高い利息に思えたことと同じである。
引き返すタイミング、ターニングポイントを見逃すな
人間界におけるいろいろな事象は自然現象と同じように、ある時期ーこれをターニングポイントというがーを過ぎるともう元には戻れなくなる。
例えとして、誰もがわかる例に「地球温暖化」がある。
もしも人間が二酸化炭素などの温暖化ガスの排出を野放図にしていったならば、将来のある時を境にして地球は自然の法則に沿って勝手に気温上昇を続けていき、以後は人間があわてて温暖化ガスの排出を止めたとしても最後には金星のように地表温度400度Cを越えるようになる。
このような環境になれば人類はもちろん生物は生存できない。
政策も、先を読んで取り返しのつかない事態になる前に先手を打たなければ元にも戻れないのである。
だからこそ国のトップは何よりも「先を読む力」が求められるのだ。
10%消費税は日本経済を破綻させるかもしれない
もし10月の消費税増税が実行されたならば、たとえどんな手を打ったとしても日本経済を5~6年のうちに破綻させてしまうかもしれないということを安倍首相は知るべきである。
ギリシャの場合
当初予算と実際の費用が大きく増える状態、どこかの国に似てはいないか。
EUはギリシャに金融支援をしながら財政を切り詰めるように要請してきたが、その金融支援は2018年に終了した。
ギリシャの現在の経済状態は危機発生時と比べて2/3まで回復したが、国民の生活は今も苦しい状況が続いているといわれている。
それは無駄な予算を削ることだ。
日本の経済破綻をロシア、中国は狙っている
もし日本が少しでも経済破綻の兆候を示したならば、おそらくロシア、中国はただ傍観しているだけではないだろう。
その時にトランプ政権が健在であったとしても、経済破綻しそうな国をトランプ氏は一顧だにさえしないだろう、たとえ同盟国だったとしても。
その前にロシア、中国を牽制するためにトランプ氏は日本の国土で紛争を起こす可能性だって考えられる。
10%消費税増税は日本の将来の岐路となるかも
10月の消費税増税は日本の将来を決める岐路になるかもしれないと思うのである。