新元号公表に絡んでの安倍首相の小賢しい小細工
新元号発表に少しでも関わりたい権力者
併せて安倍首相が正午から会見をし、自ら談話を発表するという。
危惧はしていたが、やはり安倍首相は新元号に自分が深くかかわって、その歴史に自分の名を永く留めていたいという野心があるのだな、と思った。
「平成」の時は小渕官房長官が竹下首相の談話を代読した
その小渕長官はその後知名度が急上昇して総理大臣となった。
当時の竹下首相が「俺が元号発表をすれば良かった」と小渕長官に嫉妬したという。
それを知ってか知らずか、安倍首相は新元号について、自らが談話を発表することになった。
しかし、結果はそうならなかったのだ。
新元号に関わることは権力誇示の絶好の機会!?
戦後の日本においては「新元号の発表に権力者が深くかかわることは避けるべき」というのがいまや常識である。
それはややもすると、新元号を発表する場が「権力を誇示する」場に変わってしまうからである。
「平成」の元号発表の時、竹下首相が自ら談話をしなかったのはそういう誤解を避けるためでもあったのだろう。
ところが今回は菅官房長官でなく安倍首相が自ら談話を発表するのだ。
なぜ新元号公表が午前11時半となったのか
なぜ安倍首相の談話の発表を正午にしたのか。
新元号の公表と首相の談話がテレビ中継されるのは間違いない。
4月1日は平日である。
安倍首相は、新元号の公表はともかく、できるだけ多くの国民に自分の談話の姿を見せつけたい。そのためにはどうすればよいか。
多くの会社が定めている昼時の休憩時間である正午を狙えばよいのである。
権力者は安易に新元号に関わることは避けるべき
今回の新元号発表について、多くのメディアはこう伝えている。
“権力者が自らの権威づけのために、安易に元号にかかわることは避けるべき”
権力者は次の言葉を真摯に受け止めるべきである。
「御代の名前の決定は、向こう何十年かの国の平安を左右するかもしれない責任重大な行為であって、過去の為政者たちでさえ慎重に距離を取った、畏れ多い行為なのです。私利私欲の道具にしていいものではありません(宮内庁関係者)」(注:某週刊誌より)。