野党のだらしなさが長期の安倍政権を生み出した

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 6月6日の各メディアは、第1次内閣からの安倍首相の通算在職日数が2720日となって、伊藤博文と並んで歴代3位となったことを報じていたが、長ければいいっていうもんじゃない。

 おそらく安倍首相は同じ山口県出身の伊藤博文を意識しているだろう。

 なぜなら伊藤博文明治憲法起草したが、それに対抗するように安倍首相は憲法改正を執拗に唱えているからである。
 
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 安倍政権がここまで続いた最も大きな理由は、財界や大企業の経営者にとって、安倍政権はとても扱いやすい政権だからであろう。

 そして霞が関の役人たちも、官邸に人事権は握られたけれどちょっと忖度するだけで安泰な地位を得られるということを役人たちは発見したのである。
 
 さらに株式に狂奔する一部の人たちにとっては、多少の乱高下があってもほぼ安定的に2万円台という株価を維持しているのはアベノミクスなどによる政策の結果だと錯覚した。

 考えてみるがいい。今の株価は公的年金の運用によって上げ底されている株価なのだ。
 
 これら一部の人たちによって支持された安倍政権が今まで続いたことは、アベノミクスやそのほかの政策が決して成功したものとは思われないことを考えると、驚きである。

 忖度するのは人間ばかりではない。
 
 各官庁から発表される種々のデータは政権に忖度したようなものばかりである。

 
 もっと違った見方をすれば、日米貿易摩擦拉致問題北方領土はたまた10月の消費増税などの課題が山積している今は政権に関わりたくない、という引けた気持ちが一部の自民党反安倍議員や野党にあるというのも、長期政権を生み出す一因になっているのではないか。

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 あの自民党総裁選出の際もライバル候補は幾分腰が引けた結果に終わった。
 野党は野党で、死に物狂いで政権奪取をしようとする気迫もなかった。
 野党同士の抗争や、かつては野党の中心人物だった者が自民党に寄り添おうとする始末である。


 ややこしい問題が山積している今は安倍政権に任せてしまおうと、与党内の反安倍派も野党もそっくり丸投げしているのではないか。

 結果、これらのことが安倍政権を長持ちしているように思われてならない。

 はっきり言って、与党内の反安倍派そして野党もだらしがないのである。

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 また安倍政権をヨイショする者は国内だけではない。

 トランプ大統領プーチン大統領は、安倍首相は自分たちの思い通りに動いてくれる格好の僕(しもべ)とみているようだ。

 「車に高い関税をかけるぞ」と言えば、100機以上もの戦闘機を買ってくれる日本。

 日露首脳会談では北方領土返還の言葉を忘れて平和条約の締結だけを進めようとする安倍外交

 安倍首相は、いろいろな課題がすぐにでも解決するような発言をして各国の首脳会談に臨むが、帰国の際に何か具体的なお土産を持ち帰ってきただろうか。

 アメリカとの貿易摩擦北方領土返還、拉致問題など一つでも進展したものがあるだろうか。

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 あるメディアの「日本をダメにした10人の総理大臣」という記事の中では2位に安倍首相が入っている。

 その理由として、安倍首相は

 1)逮捕されなければ何をしてもよい風潮を政管界に蔓延させた
 2)権力を私物化した
 3)三権分立のバランスを崩した
 4)日本国憲法を破壊した

 外交においては、安倍首相はアメリカへのポチぶりが極端で、1兆数千億円ものF-35戦闘機をすんなりと購入してくれたり、某国から日本の上空を飛んでハワイやグアムに向かうミサイルを落とすためではないかと言われる迎撃ミサイル「イージス・アショワ」の導入を決定している。

 「イージス・アショワ」は、低い高度で日本を狙ってくるミサイルにはあまり効果が無いことをどれだけの人が知っているのだろうか。
 
 つい昨日(6日)の事ではあるが、この「イージス・アショワ」の配備候補地に選んだ調査結果の数値に初歩的な誤りがあったと報じられた。

 地図データーの縮尺が誤っていたというが、小学生でもわかるこの初歩的なミスは配備候補地を恣意的に選ぶための操作だったように思えてならない。

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 徳川幕府は初代の徳川家康から15代将軍徳川慶喜まで265年間続いた。

 この中で長期だった将軍の在職期間と享年を見ると

             将軍名   在職期間    享年  将軍に就いた年齢
 1.徳川家斉 50年 0ヶ月 69歳     15歳
 2.徳川吉宗 29年 1ヶ月 68歳     32歳
      3.徳川家綱   28年 9ヶ月 40歳     11歳 
 4.徳川綱吉 28年 5ヶ月 64歳     35歳
 5.徳川家光 27年 9ヶ月 48歳     20歳

 これらの将軍の中には実績を残した者もいるが、そうでない者もいる。
 調べればすぐわかることである。

 これらを眺めて、21年秋以降も首相を続けるぞ、と安倍首相が思うかどうかは知らない。

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 もし安倍首相が8月も在職であれば、戦後最長と言われる在職期間を残した佐藤栄作元首相を抜くことになる。

 佐藤栄作は「沖縄返還」という実績を残した。
 今までに安倍首相はどういう実績を残しただろうか。

 さらにこのまま安倍政権が11月も続けば、安倍首相の在職期間は戦前の桂太郎元首相を抜いて歴代1位となる。


 収穫の無いスタンプラリー外交と同じような感覚で、長期在職をPRする安倍首相をどうも素直に受け入れられないのである。