WHOのパンデミック宣言は遅すぎる

 11日、WHOが「新型コロナウイルスの流行はパンデミック」と表明したことによって各国がどのように対応するかが注目されるが、WHOの今回の表明は「今さら」という感がしないでもない。

 

 もうとっくにそのことを予想して先手先手の対応をとっている国もあれば、単なるインフルエンザじゃないかと高を食っている国もある。

 

 しかし、高を食っている国であってもWHOが「パンデミック」と宣言すれば、そのことをタテにとって国内の対応がやり易くなるから、これから本格的な対策に乗り出す国もあろう。

 

 新型コロナウイルスにしろ、既知のインフルエンザにしろ、恐ろしいのはそれによって引き起こされる二次的な社会の混乱である。

 

 最も影響を受ける経済活動は、世界の隅々まで張り巡らされた交通機関による人的物的交流がスムーズにいかなくなることによって生じる。

 

 完全な鎖国制度をとれば影響は少ないかもしれないが、21世紀のこの世界にそのような国があるのか。

 

 なんらかの対応策をとるということは、少なからず自国の経済活動にマイナスの影響を与える。
 
 そのため、しばらく様子見、という国もあるのではないか。

 

 WHOの動きを見て、自国の対応を決める、ということは、ある意味では正しい行動なのかもしれない。

 

 それにはWHOがどの国の主義主張にも左右されず、人類の生命と健康において今何を発信するべきか、ということだけに専念して世界に発信するのであれば、という前提が不可欠である。

 

 WHOのパンデミック宣言で、本気になって取り組む国が現れるかもしれないが、それにしても今回のWHOのパンデミック宣言は遅すぎる。

 これはWHOが中国に過度に忖度したためであると言われている。

 

 中国の顔色を見ながら、その後の行動や発言を決める。


 WHOがこんなことでよいのか。

 

 しかし、あまり強いことも言えない。

 

 なぜなら、日本政府の中国・韓国からの入国制限実施が遅れたのも同様の理由だからと言われているからである。