小泉進次郎大臣の育児休暇取得に疑問

 小泉進次郎環境大臣は15日、約2週間の「育児休暇」(以下「育休」)を取得すると明らかにした。

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           (2020年1月16日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 進次郎氏は、閣僚である自分が率先して「育休」を取ることで「育休」を取りにくい空気を変えていく、とも言う。

 

 ちょっと待て、進次郎氏はちょっと勘違いしているのではないか。

 

 国政に携わろうとする者は、たとえそのために私的時間が削られようともそれは甘んじて受け入れざるを得ないのではないか。

 

 国民に見本を見せるためにやるのであれば、それは先頭に立って危険な地に赴くとか、自分の利とならないボランティア活動などであったら理解できる。

 

 おそらくここで反論があろう、国会議員だって人間だと・・・。

 

 しかし国会議員には多くの税金が投入され、閣僚などには強力な権限が与えられているではないか。

 それらは私的時間を束縛される代償だ。

 

 それが嫌なら国会議員や閣僚などになろうと思わないほうがいい。

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          (2020年1月16日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 厚生労働省によれば、民間企業で働く女性の「育休」取得率は82.2%だが、男性のそれは6.16%という低い数字だ。

 政府が目標とする男性の「育休」取得率は13%だからその半分も達成していないのだ。

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 男性の「育休」取得に対する嫌がらせの「パタハラ」という新しい言葉も生まれた

          (2020年1月16日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 その原因はひとえに「育休」に対する企業の経営者や上司、同僚の意識にあるだろうことは間違いない。

 

 進次郎氏は、閣僚である自分が率先して「育休」を取ることによって職員の「育休」を取りやすくするのが狙いというが、この考えは訴えるべき相手が外れている。

 

 男性が「『育休』を取りたいが、取りにくい雰囲気がある」のを、一大臣が率先して「育休」を取ったからと言ってそれまでの雰囲気が簡単に変わるものか。

 変わるはずがない。

 

 「育休」が取りにくい原因は、企業の経営者や上司らの「育休」に対する誤った考えにあるのだから、まずこれを是正しなければならないはずだ。

 

 訴えるべきは企業の経営者、上司たちなのだ。

 

 今回の進次郎氏の唐突な「育休」発表は、大臣という立場にあって「育休」に便乗した自分に都合の良いものに思えてならない。

 

 昨年、日本の環境大臣として初めて出席した進次郎氏は国連の環境関連のイベントで「気候変動問題はセクシーに」や「ステーキ食べたい」などと理解不能な発言をしたが、このことと今回の「育休」のことを考え合わせると、入閣する前の進次郎氏が安倍政権に対して発した厳しい批判などが我々国民には爽やかに感じられた発言は幻だったのかと思えてくる。

 

 このような閣僚入りした後の進次郎氏の言動を見てくると、安倍首相が進次郎氏を閣僚に取り込んで丸め込もうとした方法はうまくいったように見える。

 

 そういうことを知ってか知らずか、環境大臣としてあちこちで行動する進次郎氏にはもはや上層部に対しても厭わず向かっていったあの溌剌とした面影がない。

 

 ひょっとするとこれが本当の進次郎氏かもしれない。

 我々は今まで虚像を見せつけられていたんだ、と最近思うようになったその矢先に

先ほどの「育休」の発言である。

 

 昨年、私は「進次郎氏よ!丸くなるな!」 とこのブログに記したが、残念ながら今回の「育休」発言で進次郎氏もほかの国会議員と同じだったと思わざるを得なくなった。

 

 進次郎氏は閣僚入りしたとたん、安倍体質にどっぶり浸かってしまったようである。