今回の安倍首相の施政方針演説の偏差値は?

 20日に行われた安倍首相の施政方針演説の中で、地方創生の成功例として東京から島根県江津市に移住した男性の名前を挙げて安倍政権下で地方創生がいかに実を結んでいるかを強調したが、実はこの男性は昨年末に個人的な理由で関東地方に戻っていたことがわかった。

 

 このことについて、内閣府の担当部署にメディアが問い合わせると「個人情報に関わる」という理由で説明を拒んでいるという。

 

 施政方針演説では個人名を明かしておきながら今さら何をいっているのか、と思う。

 

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        今回の安倍首相の施政方針演説を識者はこう語る

          (2020年1月21日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 今回の演説でも国会の答弁の際でも感じることだが、安倍首相が奇麗な言葉で語る時は用心して聴かないと、事実と異なっているにもかかわらず素直に聴く者はそのまま事実として受け取ってしまう恐れがある。
 
 この日の施政方針演説で安倍首相は、現在カジノを含むIR(統合型リゾート)事業を巡る汚職事件の渦中であるためか、「IR」や「統合型リゾート」という言葉には触れず、「観光立国」の項目の中で「高い独立性を持った管理委員会の下、厳正かつ公平・公正な審査を行いながら、複合観光施設の整備に取り組みます」と言い換えていた。

 

 都合の悪いことには触れずにスルーしてしまう、あるいは他の言葉で誤魔化してしまうという悪癖は相変わらずであった。

 

 この施政方針演説に対する各党のコメントは以下の通りだ。

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          (2020年1月21日 MBSテレビ「ひるおび」より)

与党では

 自民 二階幹事長「責任ある立場 堂々たる発言」
 自民 岸田政調会長「総理の強い思いにじんだ演説」
 公明 山口代表「丁寧に説明 憲法改正は従来より抑制的」

 

自民党内では

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          同じ自民党でも対照的な意見

          (2020年1月21日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 野党・その他の党では
 立民 福山幹事長「空疎な演説 あまりに不誠実」
 国民 玉木代表「『永遠の道半ば』に磨きかかった演説」
 維新 馬場幹事長「五輪頼みが読み取れる演説」
 共産 志位委員長「『さ』の字も『カ』の字もない」
 社民 吉川幹事長「まるで責任がなかったかのよう」
 れ新 山本代表「いつもどおり薄っぺらい」
 N国 立花党首「是々非々で対応」

 

 このこととは別に先に各メディアが令和2年1月に実施した世論調査内閣支持率は下表の通りだった。

 

 意外にも前月より内閣支持率が微増しているが、その理由がわからない。お正月というご祝儀相場だったのだろうか。

 

 内閣支持率(令和2年1月)


    JNN  45.4%(前月比 +4.5ポイント)
    NNN  52%  (前月比 +4ポイント)
    FNN  44.6% (前月比 +1.4ポイント)
    時事通信 40.4%(前月比 -0.2ポイント)

 

 これらの内閣支持率の数値を眺めるうちに、この数値は今回の施政方針演説の偏差値として当てはめることができるのではないかと思えてきた。

 

 安倍首相の今回の施政方針演説、あえて付けるならばその偏差値は40~52。

 この数値がどの程度のものか、受験生ならばとっくにわかるはずだ。

 

 ちなみに私の学校では試験点数の平均点を偏差値50に置き換えて各自の得点を計算し、偏差値50台以下で「不可」、60台で「可」、70台は「良」、80台を超えると「優」と評価していた。

 

 この数値を上記の内閣支持率と照らし合わせても決しておかしくはないだろう。

 

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         諸問題抱える今国会で安倍首相はどう逃げ回るか
           (2020年1月21日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 改憲のためなら1年任期延長をもくろむ安倍首相、その安倍内閣の偏差値を1月の内閣支持率と同じと考えるならばそれは40~52。

 

 この偏差値を見て、進路指導の教師は何と答えるだろうか。

 

 希望通りの進路を勧めるか、それとも・・・