クルーズ船内の悲惨な状況は厚労省の杜撰な対応が原因だ
神戸大学病院感染症内科医師・岩田健太郎教授が2月18日に大型クルーズ船のダイヤモンド・プリンセス号に乗船し、その時の想像を絶する船内の悲惨な様子をYoutube(https://www.youtube.com/watch?v=W3X3RSmf7ds)で語っている。
岩田教授は私個人の見解と断りながらも、DMAT(災害派遣医療チーム)の仕事をするためにクルーズ船内に入ったが「それはひどいものでした」と言っている。
船内は未だに安全なゾーンとそうでないゾーンが区別されておらず、マスクを着けていない乗員もいたという。
また岩田教授は「専門家が入って、リーダーシップをとって感染対策についてのルールを決めてやってるんだろうと思ったのですが、まったくそんなことはない」とも言っている。
18日の夕方になって突然岩田教授の電話が鳴り「下船しろ」と言われ、なぜか1日でクルーズ船から追い出されてしまったという。
DMATの仕事をするために乗船したものの、その目的を十分果たせずに岩田教授は船を下りたのである。
ダイヤモンド・プリンセス号でなぜこれほど多くの感染者が出てしまったのか、岩田教授の報告を聴いて納得がいった。
岩田教授の指摘に厚労省は「専門家がおらず感染防御を素人集団がやっているという指摘は事実誤認だ」だとか、安全区域とそうでない区域を船内で分けることは困難、などと反論している。
ならばなぜこれほど多くの感染者が次から次へと出てくるのか。
厚労省はクルーズ乗員に対する感染予防の教育とか指導を行うことを前提で船内隔離と言う方法を選んだのか。
船内隔離という方針を決めたのであれば、それに伴う厳格な対応を初期の段階で乗員や乗客に遅漏なく伝えるべきではなかったのか。
乗員の中には文化も衛生観念も大きく異なるいろんな国の人たちが働いているのだ。
日ごと増えてくるクルーズ船の感染者の数字を思うと、厚労省の言うことが本当に実行されたとはとても思われない。
もうこれ以上のことは書かない。
詳しくは岩田教授の報告を聴いてみるといい。
お断り:2月20日、上記の動画は削除されました。
したがってほかのサイトで公開されていた同じ内容のものを紹介します。