なぜ岩田教授の動画は削除されたのか

 岩田健太郎教授がダイヤモンド・プリンセス号の内部の惨状を告発した動画が19日にyoutubeにアップされたが、20日朝その動画が削除されていたことがわかった。

 

 削除は岩田教授自身がしたことになっており、そのわけを本人が述べているが「これ以上この議論を続ける理由はなくなったと思います」と説明している。

 

 内部告発した岩田教授に一体何が起きたのか、そしてなぜ動画は削除されたのか。

 ネット上ではいろいろなことが言われている。
 1.厚生労働省など政府の圧力で削除した
 2.動画のアップで本人が思っていたより炎上したことに驚き削除した
 3.初期の目的が果たせたので削除した
 4.岩田教授のクルーズ船乗船の許諾にかかわったという厚労省の高山義浩医師との誤解が解消した 
   など。

 

 しかし、前日にダイヤモンド・プリンセス号の内部の惨状を伝える動画がアップされ、それがわずか一日で削除されることがこの民主国家(と思う)の日本で現実に起きるとは思いもしなかった。

 

 岩田教授が伝えるクルーズ船内の惨状が事実と大きく異なる虚偽の報告であればともかく、毎日船内で感染者が増えていく情報を耳にすれば、誰もが岩田教授の報告にうなづくだろう。

 

 船内で一体どのようなことが起きているのだろうか、感染防止のための政府の対応ははたして先手先手なのだろうかという疑問を持たざるを得ない。

 

 真実を国民に知らせる行為が国家によって封じられたとしたら、これはまるであの国とそっくりではないか。

 

 岩田教授は20日午前、日本外国特派員協会でテレビ会見し、動画を削除した理由を「クルーズ船の状況が多くのメディアに報道されたため」「クルーズ船内の状況が顕著に改善されたため」「懸念していたゾーニングの環境がいい方向に改善された」と語ったが、一方で「感染のリスクが存在しているという私の主張は変えない」と英語で述べた。

 

 この会見を聴き、岩田教授が動画を削除したのは何らかの有形無形の圧力があったのではないだろうか、という私の疑念はますます深まった。

 

 それは「私の主張は変えない」という岩田教授の言葉に感じ取ることができる。