唐突な全小中高一斉休校要請は安倍首相の乱暴なパフォ-マンス

 安倍首相は27日、新型コロナウイルスによる感染拡大防止のため全国の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校を3月2日から春休みまで臨時休校することを要請した。

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  何の事前準備もなく、いきなり全国小中高の一斉休校要請を発表する安倍首相

           (2020年2月28日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 これより前の25日に発表した感染拡大防止のための対策基本方針の内容は生ぬるい抽象的なものに終わっていた。

 もっと具体的な対策があるのかと思っていたが当てが外れた。

 

 そのことに批判があったためか、今回は小中高校の一斉休校要請という、いきなりの乱暴な対策を政府は突然打ち出してきた。

 

 極端に変わる政府の方針に、これは新型コロナ感染拡大防止に政府はこれだけのことをやっているということを内外に示したい安倍首相のお得意のパフォーマンスではないかと感じた。

 

 新型コロナウイルス感染の全国的な蔓延を考えれば、その方向性は正しいかもしれないが、問題はそれを実施する手順と時期である。

 

 ひょっとすると、政府はそれらを実施する時期を逸したのかもしれない。

 

 時期を見逃してしまった、取って付けたような対応からは弊害こそあれ何らの効果も生まれない。

 

 武漢で新型ウイルスによる感染者が増大しているという情報が伝わった1月の時点で、水際対策の積極的な対策を政府が実施していれば、それに伴う種々の問題ー物理的なことはもちろん精神的なものもーに国民が納得できたであろうに、安倍首相のやることは後手後手である。

 

 春休みも含めれば一か月超にもなるという小中高校の一斉休校要請では他の分野にいろいろな問題が起きてくる。

 

 とくに両親とも勤めに出ている場合、日中は子供だけになる家庭などにどのような影響が生じるかを政府は検討したのだろうか。


 子供の面倒を見るために 親のどちらかが仕事を休めばそれは収入に響く。

 また簡単に仕事を休めるような状況ではないことも確かだ。

 

 また親が勤めに出ていればその親に感染の可能性がないとは言えない。そうなれば親から子へ感染する機会が生まれる。

 

 小中高の一斉休校要請で生じる、そういうもろもろの問題について政府はなぜ説明しないのか。

 

 感染症などの拡大防止のために小中高の一斉休校を行うのであれば、同時に企業や交通機関に対して何らかの規制をしないとその効果は薄れてしまう。

 

 報道によれば、そういうことを政府に問うと「それは走りながら考えるしかない」というあきれるような返事が返ってきたという。

 

 対応が遅くなればなるほど、泥縄式の対策しか取れなくなり、それに伴う多くの障害が増えてくることを、今となっては政府も国民も身をもって体験するしかないのかもしれない。