政府はなぜ「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を適用しないのか?
29日の安倍首相の会見において、新型コロナウイルス感染症対策(以下、新型コロナ対策)として政府は立法措置を進めるとしているが、2013年の「SARS」対策として施行した「新型インフルエンザ等対策特別措置法」をなぜ今適用しないのか。
2013年に施行した「新型インフルエンザ等対策特別措置法」
(2020年3月2日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より」より)
新型コロナウイルスによる感染者が増大している今、これから立法措置を進めるような悠長なことを考える暇はあるまい。
それに新立法ができるとしても安倍政権に都合の良い政治的要素を紛れ込ませた法ができる恐れもある。
必要な条文とともに、政権に都合の良いものをあちこちに紛れ込ませて成立を図る。
これは憲法改正を推し進める安倍首相の常套手段であることを忘れてはなるまい。
今日(3日)の参院予算委員会でも、自民党議員の質問に憲法改正の必要性を長々と答弁していた。
質問者の自民党議員は安倍首相に長々と演説させる機会を与えているのだ。
こういう場面を見ていると自民党はいちじるしく変質した、と思う。
それは政権に忖度することと、おべんちゃらをすることに長けてきたのだ。
話を元に戻す。
2013年施行の「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が今の新型コロナ対策にそのまま適用できない理由として、新型コロナ感染症を「指定感染症」としたために「新型インフルエンザ等対策特別措置法」は適用しにくいことを識者は挙げているが、そうであればすぐさま指定を変更したらよい。緊急避難的な変更であれば大きな問題はなかろう。
また「新型インフルエンザ等対策特別措置法」には「・・・インフルエンザ等・・・」という言葉が含まれている。なおさら柔軟な適用が可能だということだ。
さきの「新型インフルエンザ等対策特別措置法」は成立し、公布され施行されるまでほぼ一年近く要した。
もし、新たな新型コロナ対策の立法措置を進めたら、その施行はいつになるのだろうか。
このような状況の下で政府は早急に何をすべきか、何もわかっていない。
今、参院予算委員会で自民党議員の質問が行われているが、質問者も閣僚の答弁もまるでpolitical kabukiを観ているようである。