官邸の会議室、これこそ避けるべき「3密」なのではないか

 11日に官邸で開催された第28回新型コロナウイルス感染症対策本部の様子を見ると、そう広くない会議室に安倍首相をはじめとする多くの閣僚と官僚たちが集まっているのはいつものことである。

 

  f:id:gnokarakuchi:20200413124615j:plain

        周囲には担当役人のほかに、多くの記者たちもいる

          (2020年4月11日 読売テレビ「Nevery.」より)

 

 そしてそれを取材する多くの記者たちが周囲を取り囲んでいる。

 

 このような光景を見て、新型コロナウイルス感染拡大を予防するために安倍首相が常に口にしていた「3密」、つまり「密閉」「密集」「密接」を避けるということはこの官邸では全く関係ないことかと思った。

 

  f:id:gnokarakuchi:20200413124807j:plain

       隣の閣僚との間は1mほど、飛沫感染には微妙な距離

         (2020年4月11日 読売テレビ「Nevery.」より)

 

 確かに官邸では入邸する人たちには厳しいチェックを行っていると聞く。
 しかし、どんな厳しいチェックを行おうとも絶対ということはあり得ない。

 

 それとも官邸にはどんなにひどい「3密」の状況になったとしても、新型コロナウイルスをはねのける魔法の装置があるのかな。

 

 官邸における会議の開催にはいろいろな取り決めがあろう。

 

 しかし、今のような情勢下では「3密」を避けるために、テレワークといった手法を取り入れて会議を進めることも必要なのではないか。

 

 安倍首相は、国民には「3密」を避けるよう口を酸っぱくして言っているが、官邸の会議場に閣僚、官僚たちを招集し、そして多くの記者たちを招き入れて、自ら言ったことと反するようなことをやっている。

 

 自らのパフォ―マンスをテレビで流してもらうための演出としか思えない。

 

 以前、安倍首相の昭恵夫人が、緊急事態宣言も秒読みとされるときに都内のレストランで有名芸能人らと「花見宴会」に参加したことが問題になったことがあるが、安倍首相は国会で「都が求めている自粛は公園での花見であって、レストランではない」と開き直って答弁したことがあった。

 

 政治家が国民に難しい要望をするのなら、自ら率先してその見本を国民に示すことが必要ではないだろうか。