なぜ緊急事態宣言を全国に拡大したのか?

 政府は16日、新型コロナウイルス感染予防のための「緊急事態宣言」を全国に拡大した。

 

 この表向きの理由は、大型連休を前にして全国の人の流れを止めるということだが、実際は新型コロナウイルス感染拡大危機に対する安倍政権の混乱ぶりを国民の目の前に露呈したくなかったというのが本当らしい。

 

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  大型連休の人の流れを止めることが今回の緊急事態の全国拡大と言うが・・・

        (2020年4月17日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 この日、安倍首相は新型コロナウイルス感染予防の経済対策でいったんは決まった減収世帯を対象とした30万円給付案をひっくり返して、代わりに国民1人当たり10万円の現金給付を行うことを急遽決めた。

  

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         補正予算案の組み替えまでして10万円給付

        (2020年4月17日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 この変更の理由づけにわざわざ今回の「緊急事態宣言の全国拡大」を持ち出した、というのが大方の見方である。

 

 なんと不純な動機であることか。

 

 7日に発令された緊急事態宣言では対象が7都府県に限定されたが、国からは何らの経済補償も無かった。

 

 そこで対象となった大阪府などでは、自治体独自の休業補償をすることになったが、こういうことは本来国がやるべきことなのである。

 

 このような政策変更の口実として緊急事態宣言を全国に拡大したところで、著しい効果が表れるとは思われない。

 

 自民党内部からでさえ、今回の「緊急事態宣言全国拡大を政治利用している」という声があるのだ。

 

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     一律10万円給付の口実に緊急事態全国拡大を利用した

       (2020年4月17日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 いまさら何を言っても仕方のないことであるが、政府は緊急事態宣言をどんなに遅くとも1か月前には全国に対して発令すべきであった、休業補償などとセットにして・・・。

 

 安倍首相のこのチマチマとした対応が情けない。


 この人に国のトップとしての危機管理能力があるのか。

 

 本当は国がしなければならないことを国民に押し付けているのだ。「自粛」や「要請」という言葉を使って・・・。

 

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          アベノマスクの不評はネットにも・・

          (2020年4月15日 ABCテレビ「キャスト」より)


 もし国からアベノマスクが届いても私は使わない。

 

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     人の弱みに付け込んで、お金を見せつけられているような気がする
        (2020年4月17日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)


 そして、もし国から10万円というお金が届いたとしてもそれも使わない。
 生活レベルを少し下げれば生活を維持できそうだからだ。

 

 新型コロナウイルス感染「収束」の兆しが見えたとき、その10万円は新型コロナウイルス防染に携わった医療関係の分野に役立つような使い方をしようと思っている。

 

 今、私は「収束」という言葉を使ったが本当は「終息」を待っている。


 しかし政府の今までの対応を見ると「終息」ははるか遠くのように思えてならない。

 「収束」に代わって「終息」の言葉が使えるのはいつなのだろうか。