持続化給付金の支給遅れを国民のせいにする安倍首相
15日の参議院決算委員会で、野党から持続化給付金の支給遅れを質された安倍首相は「申請する方にまったく問題がなくて、受ける側が怠慢で(支給が)できていないというわけではない。書類の中に問題があったのは事実だ」と答えた。
安倍首相はまさに「支給の遅れは申請者の方に原因があって行政側には全く問題はない」と言っているのだ。
ちょっと待った!
これら持続化給付金や特別定額給付金などの処理する全国の自治体がその莫大な処理に追い回されてここ数か月悪戦苦闘している状況はよく見聞きしている。
それではこのような状況を作り出したのは一体誰なんだ!と言いたい。
新コロナによる救済対策として政府が持続化給付金や特別定額給付金の支給を打ち出したのは当然だとしても、それらを迅速にそして確実に国民の手元に届くようにするにはどうしたらよいか、そこまで熟慮して政府がこれら給付金支給の方針を立てたとはとても思われない。
このことは2月末に安倍首相が小中高の一斉休校を突然要請した時とまったく同じ大きな混乱を全国の自治体や学校現場に生じてしまった。
新コロナ禍の情勢下にあって国民が必要とする政策や方針を早急に打ち出すのはいい。
しかし、そのことによって関連する自治体や組織、末端の現場にどのような新たな業務がどの程度生じてくるのか、その想像力が今の安倍政権には欠けている。
それがわかれば、目標とする期日までにその政策や方針を達成するには現状の組織・機能で十分なのか、それとも新たな組織や機能が必要なのかがわかるはずである。
そういうことを踏まえ、手当した上で政府は政策や方針を発表するのが本来の姿であろう。
体のいい、国民が喜びそうな内容だけを拙速に発表して、あとは関連省庁や自治体に丸投げするような行政ではうまくいくはずがない。
ましてや、今回のように持続化給付金の支給遅れの原因は国民にあり、と発言する行政の長とあっては、何をか言わんや、である。