またもや「責任を痛感している」で済まそうとする安倍首相
「痛感している」の言葉だけで終わり?
昨年の参議院選挙において買収容疑で逮捕された河井克行前法相と河井案里参院議員について、安倍首相は18日午後6時からの記者会見でまたもや「責任を痛感している」という言葉だけで済まそうとした。
(2020年6月18日 ABCテレビ「キャスト」より)
さらに安倍首相は「我々すべての国会議員は改めて自ら襟を正さなければならないと考えております」とも述べた。
安倍政権になって、安倍首相自身のことも含めて自民党国会議員のいろいろな不祥事が起きて何度同じような言葉を聞かされたことであろう。
プロンプターに表示された言葉を棒読みして「痛感している」「反省している」などと言われても何らの誠意も伝わってこない。
また「我々すべての国会議員は・・」と、原因は自分たちだけにあるのではなく、国会議員全体にあるのだといういつもの責任所在を薄めるという全体論法に切り替えている。
そして「襟を正さなくてはならない」と語るに至っては失笑してしまう。
今まで何度、襟を正したことだろう。
おそらくその襟は汚れてしまって、しわくちゃになってしまい、今さら正すことなぞ不可能だろう。
最近、安倍首相が映されるテレビの生中継が多いことを危惧する
最近の安倍首相の記者会見は週の後半、木曜日あるいは金曜日の午後6時開始ということが多いような気がする。このことは何か意味があるのかもしれない。
そしてその時間帯はNHKはもちろんほとんどの民放でも生中継されるようになっているようだ。
その会見で何か重要なことが発表されるかもしれないと局側が急遽予定を変更して生中継に切り替えたものの、あまり変わり映えのしない会見内容に肩透かしを食らった民放の中には、生中継を早々と切り上げる局もある。当然NHKだけは最後まで生中継に付き合ってはいるようだが・・・。
思い出すがいい。
安倍首相が発表したあの「緊急事態宣言」は4月7日の夜7時から行われたが、ほとんどのテレビ局が生中継したことを。
この日(4月7日)、緊急事態宣言の映像がほとんどのTVチャンネルで生中継された
(2020年4月7日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
日本史上初めての「緊急事態宣言」ということもあるが、この時はどこのチャンネルを回しても同じ「緊急事態宣言」を告げる安倍首相の映像だった。
NHKなどは午後8時半過ぎまで生中継を続けた。
時間が経ってもどこのチャンネルも同じあの人の映像ばかりでは「日本はあの独裁国と同じなのか?」と思いたくもなる。
18日の安倍首相の記者会見は通常国会閉会を受けてのものだろうが、安倍政権になってから頻繁になったNHKをはじめ多くの民放局がこの権力者の映像を一斉に流すということが多くなったような気がする。
それは戦前の大本営発表のようで、記者会見がある度にそんな現在の日本の政治の状況を強く憂うのもまた確かである。