ニホンの虫歯は、ほっておくと後で大変!

 9月3日、石破茂元幹事長が国会内の歯科診療所で検診を受けた時に、記者から「日本の虫歯はどこか」との問いに、石破氏は「定期的にきちんと見ていかないと、ほっておくと後で大変なことになる」と答えた。

 

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 一見、記者と政治家・石破氏の何気ない問答のように思えるが、意図的かどうかは別にして記者も微妙な質問をし、石破氏も絶妙な返答をしたものだと思ったのである。

 

 報道では記者団の問いにある「ニホン」を「日本」と報じていたが、これが「二本」の意味だったらどうだろうか。

 

 というのも、記者は口で「ニホン」と言っただけなのにそれが「二本」か、あるいは「日本」か、どちらの意味で質問したのか記者以外は知らないのである。

 

 歯科検診を終えたばかりの人が「ニホンの虫歯はどこか?」と問われたら間違いなく「二本」と言われたと思うに違いない。いや一般人でなくとも少々血の巡りの悪い政治家であったら「二本」と思うだろう。

 

 おそらくそういう人たちは「虫歯なんて一本もないですよ」とか「いや虫歯は二本ではなく一本ですよ」と面白くもなんともない返答をするだろう。

 

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 まさかこのような場で、政治家に対して「二本の虫歯はどこですか?」と質問する記者は居ないだろうという先入観で私たちは判断している。だから「ニホン」は「二本」ではなく「日本」だと考える。
 
 このような場合、質問した者とされる者の立場やその時の状況と雰囲気を考慮して判断している。

 

 もし、この時の記者が「日本」ではなく「二本」と言う意味で石破氏に問うたのだとしたらどうだろう(まぁ、あり得ないが・・)。

 

 しかし石破氏はどちらに解釈されてもまったく矛盾しない返答をしたのである。

 

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 同様の質問を受けた政治家が、これは日本の政治のことを言っているのだろう、と判断するのはたやすいことだろう。

 

 それを石破氏は小難しい政治の言葉をあれこれ使わずに、終えたばかりの歯科治療の余韻を漂わせるように、平易な言葉で「(政治と歯は)定期的にきちんと見ていかないと、ほっておくと後で大変なことになる」と答えた。

 

 政治家は、どのようなときでもこのようにユーモアと機知に富んだ答弁をしてほしいものである。