何の感慨も覚えなかった今回の総裁選
14日の自民党総裁選を終えて菅氏が新総裁に決まった。
しかし、今回の自民党総裁選の結果に何か違和感を覚えた。
自民党総裁選投票結果
(2020年9月15日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
それが総裁選を行う前から結果がわかってしまうという「出来レース」ということとは少々違うものであった。
その違和感が何か、開票結果を伝える今日の新聞やテレビではっきりとした。
それは「施し票」と言われるものが岸田氏に流れた結果、私たちの予想を覆す結果になった、ということを・・・。
(2020年9月15日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
私の予想では、菅氏の優位は揺るぎそうにないとしても、2位には石破氏そして僅差で岸田氏と続くのではないかと思っていた。
それが国会議員票で菅氏は予想よりも票を少なくし、石破氏はほぼ予想通り、そして意外や意外、岸田氏が20票以上も票を上増しした。
岸田陣営も最初は55票だと予想していた
しかし、菅氏に流れるはずだった24票が岸田氏に入った
(2020年9月15日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
事前の予想では、岸田氏は国会議員票を実際より24票少ない55票を獲得するだろうとみられていた。
その24票は本来は菅氏に流れるはずのものだったのであろう。
もしこの通りになっていたら、石破氏の得票は国会議員票と地方票の合計68票と変わりないが、岸田氏のそれは65票となり、僅差で石破氏が2位になっていたはずである。
これは地方票でも自民党の上層部から「施し票」の圧力があったといわれているから、もしこのことがなければ地方票でも石破氏は票を伸ばしていたと思われる。
ジャーナリストの田﨑氏もこう言っている
(2020年9月15日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
しかし実際はそうはならなかった。
なぜか。
それは石破氏の得票を最下位にして、石破氏の次回の総裁選への道を断ちたいたいと考える自民党上層部が、各派閥に対して菅氏に投票する分のいくらかを岸田氏に投票するよう指示を出していたためだと思われる。
(2020年9月15日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
今回の総裁選で、地方票の約30%の票を集めた石破氏が、7%の票しか集められなかった岸田氏に敗れた。
このことは国会議員票が地方の意思を正しく反映していない証拠ともいえる。
岸田氏にとっては「ポスト菅」に名乗りを挙げやすくなった
石破氏は5選目に立候補しにくい状況になった
(いずれも 2020年9月15日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
「施しの票」、それ自体は違法でも何でもなかろう。
しかし、そのことによって生じた結果は国会議員の意識と地方・国民の間に大きな乖離を生むのではないか。
また生じた結果は必ずしも公平・平等で民主的だとは思われない。
上層部の圧力によって投票さえも自分の意思を貫き通せない「施し票」が今回の総裁選を感動の無いものにしてしまった。