政治に携わる者は、国民の模範となるような振る舞いが必要だ
さる28日の参院予算委員会で、議場に入室してくる議員の様子を伝えるテレビ画面を見て驚いた。
なんと平井卓也デジタル改革担当相が入室してきたかと思ったら、着けているマスクをあごの下に外し、指先で鼻の下を触っているではないか。
(2021年1月29日 MBSテレビ「ひるおび」より)
大勢の議員が集まる議場で、歩きながらマスクを外し、しかも直接指先で口や鼻に触る行為は非常に危険な行為だということがわからないのだろうか。
マスクを外した状態で着席した平井担当相は他の者と近距離で話をしていた。
このことも驚く光景である。
その後マスクを上げて普通の状態に戻したが、緊急事態宣言下にあって物質的・精神的にいろんな自粛を要請されている国民がその様子を見たらなんと思うだろうか。
マスクを着けていると、外出先で急に口元や鼻先にかゆみを覚えることはあるだろう。
その時、辛抱できなければマスクの上からゆるく掻く程度にとどめる。
それでもかゆみなどが治まらなかったら、人混みを避け、マスクをずらして指先にハンカチなどをあてて触るだけにとどめる。
間違っても直接指先を口や鼻に当ててはいけない。
もしそうした場合、その指先をすぐに消毒したり洗うなどすればいいが、議場でそんなことはやっていられまい。
新型コロナウイルスによる感染はなにも飲食の時だけでなく、空気を介してはもちろん、物を介して感染することもあるのだ。
もし無症状の感染者が口や鼻を触った手で議場のエレベーターのボタンを押したり、ドアノブなどを掴めばウイルスはその部位に付着する。
逆に、健常人がウイルスが付着したエレベータボタンやドアノブなどを直接掴んだその手で、不用意に自分の口や鼻を触った場合も非常に危険なのだ。
当たり前のことだが、ウイルスは目に見えないのだ。
指先で口を触るとか、鼻をさわるとか、今まで何の抵抗もなく行ってきた振る舞いも、今のような新型コロナ感染拡大の下にあっては非常に危険な行為になり得る。
国会議員であればなおさらのこと、これらのことに留意してもらいたいものである。