マスク会食?、これが今取るべき政府の新型コロナ感染拡大予防対策なのか?
19日、新型コロナウイルスの国内新規感染者数が2386人となって過去最多となった。
この日、菅首相はテレビで国民に向かって「マスク会食」を呼び掛けた。
(2020年11月19日 MBSテレビ「ミント」より)
感染者の拡大防止に新たな政策を打ち出す内容ならばともかく、国の指導者が「会食の仕方」について、わざわざ国民に向かって呼び掛けることなのか。
こんなことは飲食店などの責任者が客に向かってお願いするレベルのことだろう。
一方この菅首相の「マスク会食」についてテレビではその方法を流していたが、一つ一つの動作が非常に面倒くさい。
ひと口、ひと飲みごとにマスクを外してまた付ける。
できるだけ会話は避ける。
これでは何のための「会食」なのかわからなくなる。
このような「マスク会食」をするくらいなら会食などしない、というゲストの声もあった。当たり前である。
こういう「マスク会食」を菅首相は国民にお願いしたのである。
19日のテレビでジャーナリストの大谷昭宏氏も「このようなことを一国の首相が言うことか!」と憤慨していた。
もっと高度な感染予防対策を立てろ、と言うのである。当然である。
新型コロナの新規感染者が爆発的に増加している今日、機を失して感染拡大防止対策が後手後手になればなるほど、医療現場は破綻し、よって他の疾病患者の治療も滞り、日本は多くの患者抱えこんだ疾病列島となって、それこそ日本経済の再起どころではなくなる。
日本医師会の中川会長は「感染拡大のきっかけはGoToトラベル」と言っている。
今、日本政府が早急にやらねばならぬことは、感染拡大の一端となっているであろうGoToキャンペーンの一時見直しと国民に対する年末年始の行動自粛要請、そして医療機関の崩壊防止策であろう。
対策を自治体に丸投げするのではなく、国がある程度の強制力を持って行わなければならない時にきているということを菅政権は気づくべきだ。
要請をすれば補償という問題が出てくることを案じて躊躇している場合ではない。
また、今や経済がどうのこうのと言っている場合でもない。
取り返しのつかない事態になる前に策を打つこと、これが見えない敵、新型コロナウイルスに対抗する唯一の方法である。
「神のみぞ知る」とか言ってる場合と違うだろう
(2020年11月20日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
ここに至ってもまるで傍観者のごとく、官僚が書いた原稿をただ読み上げるばかりの、あるいはチマチマとした枝葉末節の対策を誇らしげに提案する、あまりも危機感のない優柔不断な政府の要人たちにあきれるよりも怒りを覚える。