新型コロナが収束しない中での聖火リレーは無謀

　島根県の丸山達也知事が、政府のコロナ対策が不十分だとして「県内の聖火リレーの中止を検討する」と発言したことについて、自民党の竹下亘元総務会長が「丸山知事に注意する」と言ったが、竹下氏は一体どういう立場でこのような上から目線の言葉が飛び出すのか、まったくあきれてしまう。

　　　　　　　　竹下氏はどのような立場で「知事を注意する」のか
　　　　　　　　　　　（２０２１年２月１９日　ＭＢＳテレビ「ひるおび」より）

　政府の新型コロナに対する後手後手の対応などで、今も収束のメドが立たない中で聖火リレーを行うことに不安を抱くのは当然である。

　新型コロナが収束しない中で全国を周る聖火リレーを実施すれば、たとえ感染拡大防止のためになにがしかの対応をしても平常より多くの人の移動が予想されることは間違いないだろう。

　　　　　　　　　　　（２０２１年２月１９日　ＭＢＳテレビ「ひるおび」より）

　一方では国民に不要不急の外出自粛を要請しておきながら、他方では全国を周る聖火リレーを行おうとしている。

　聖火リレーは太陽光で採火された聖火によってギリシャと開催地をつなげる非常に神聖なものである。

　しかし、収束の兆候もない中で聖火リレーを実施することは、国内のあちこちにうようよしている新型コロナウイルスあるいはその変異型コロナウイルスを国内の隅々まで運んでいくようなものである。

　本来聖火リレーは平和・団結・友愛を開催国の隅々まで体現させ、オリンピックに対する関心を呼び起こすものであるのに、もし新型コロナが完全収束しない中で聖火リレーが実施されたならば、これは聖火リレーと言わず、「新型コロナリレー」と後世まで語り継がれることだろう。