「自分ファースト」のこれらの人たち
今でも供給が満足に行き渡らない新型コロナワクチンであるが、そのワクチンを住民より先んじて市長や町長などが接種していたことがわかった。
(いずれも 2021年5月14日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
このらの人たちの弁明を聞けば、ワクチン接種のキャンセル分が出たので無駄にできないから、あるいは接種事業に直接携わることもあって医療従事者の立場としてなどと、まことしやかな理由を並べている。
ちなみに厚生労働省は「行政機関の役職管理職ということだけで優先接種の対象にはならない」と言っている。
( 2021年5月14日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
このことについて世間では批判と肯定の2つに意見に分かれているそうだ。
( 2021年5月14日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
今でもワクチンの供給が決して十分でなく、接種対象をまず医療従事者、そして高齢者を優先していることを考えれば、これらの人たちに先んじて優先接種した首長たちへの批判は当然のことだと思う。
一方、自治体の首長に万一のことがあれば行政が滞るおそれがあるので、住民より優先して接種を受けるのは当然だという意見もある。
どちらの意見も決して間違いではないだろう。
しかし、住民に対してワクチン接種の予約はまず高齢者からという通達を住民に出す前に、行政の首長に対しても医療従事者と同じように優先的に接種をする、と公表すべきではないか。
高齢者のワクチン接種の予約券を手に入れようと、前日の真夜中から役場の玄関に並んだ高齢者、そして予約当日の時間になって役場の玄関前に並んだ者はすでに予約券は残っていなかったことを知り、愕然となった。
このような高齢者の人たちの気持ちを考えれば、行政の首長は住民に対して事前の配慮、つまり市長や町長は住民に先んじて接種をする旨、ひとこと知らせることが必要だったろう。無用な誤解を招かないように・・・。
行政の首長が日頃どんなに立派なことを口にしても、予想もしない状況の下では「自分ファースト」というものが心の隅にある限り、それはちょっとしたことで頭をもたげてくるものである。