「ステイホームなんて必要ない」だって!?

 新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大で19日の尾身茂・政府分科会会長は「ステイホームなんて必要ない」と発言したが、これを最初聞いたとき経済界の誰かが発言したのかと思った。

 

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       (2022年1月21日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 新型コロナの感染拡大防止を純医学的な立場から意見を述べるとすれば、上記のような発言はあり得ないだろう。
 さらに尾身会長は「人流抑制でなく人数制限がキーワード」とも言っているが、人数制限をするような状況になる前には常に「人流」があることを忘れてはなるまい。

 その「人流抑制」を放っておいて「人数制限」云々を言うのは矛盾している。

 

 尾身会長の発言に対して、知事会の中では「会食の人数制限さえすれば出歩いてもいい」というふうに聞こえ、困惑したという。

 

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        (2022年1月21日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 政府分科会では「(人流抑制ではなく人数制限で)医療逼迫や社会機能不全に陥らない程度に感染者数を抑制する」というが、わざわざ「人流抑制」という言葉を外した意図が見えるような気がする。

 

 それは政府分科会が「都道府県をまたぐ移動自体は制限する必要がない」と言っていることなどから、近いうちに「GoToトラベル」などの施策を容認する環境を整えていくつもりかもしれない、と思えるからである。

 

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        (2022年1月21日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 7月には参議院選挙がある。


 コロナ禍の下で(おそらくまだコロナは収束していないだろう)与党が選挙で有利になるような社会環境はどのようなものか。

 まさかそのために新型コロナ感染予防策を利用するかもしれない、と言ったら言い過ぎか。

 

 政府分科会の関係者は、人流抑制と感染との関係に疑問符が付いたというがどのような疑問か、その明確な説明はない。

 

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        (2022年1月20日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 

 人間社会において経済活動が重要な事はわかる。
 しかし、今のようなコロナ禍において人類がこの先も生き続けていくために厳格な感染予防政策のために経済活動がある程度犠牲になるかもしれないことを恐れてはならないだろう。

 

 どんな災厄に見舞われても、命さえあれば人類は必ず立ち直ることができることを証明したいものだ。