豊洲市場問題、ウヤムヤで終われば小池知事に逆風吹くかも

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 小池百合子都知事豊洲市場の建物下に盛り土がされていなかった問題で原因は十分に解明できなかったとする検証報告書を公表した。
 
 小池知事の下で行われた内部調査に対しては、私はもう少し進展のある結果を予想していたが少々期待外れであった。
  
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 もし「縦割りで責任が不明確だった」という誰も責任を問われないというあやふやな原因でこの盛り土問題に終止符を打つとしたならば、おそらく同じような問題は今後も起きることだろう。
 

 いろいろな問題が起きる原因の多くは人であったり組織や手順などにあったりするものである。
  
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 しかし組織や手順などはそれだけがひとりで勝手に動き回らないものである。
 そこには必ず人の意思が介在する。
 
 人の意思が反映されない組織や手順はかえって不気味である。
  
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 豊洲市場に盛り土がされなかった原因が「縦割り組織」だけにあるとは思わない。
 
 いつ、誰が、何のために、盛り土をせずモニタリング空間と称する地下室を決めたのか、張本人はきっといるはずである。
 
 疑問に思うのは、モニタリング空間には盛り土をしていないのに850余億円もの土壌浄化および埋め立て費用が変動していないことだ。
  
 
 東京都のホームページに描かれたものとはまったく異なる盛り土のないモニタリング空間と称する地下室が都民の税金で都民の知らないうちに造られていた。
 
 これが近代都市といわれてきた東京都が行ってきたことだ。
 
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 内部調査ではおそらく関係する都職員のヒアリングも行われたことだろう。
 
 しかし誰かが本当のことを言っていない、誰かが何かを隠している。そして責任を負いにくい組織やコミュニケーション欠如のせいにしようとしている。
  
 高学歴者もたくさん居ることだろう都庁職員のだれ一人も、都のホームページに記載されたものとは違って、豊洲市場の建物の下には盛り土がないということに気づかなかったはずがない。

 気づいてもそれを上に問いただすとか、公にすることにどのような抵抗があったのだろうか。保身のためだろうか。
  
 もし豊洲市場の盛り土問題で都民が納得する原因解明がなされなければ、小池知事にいずれ逆風が起きるかもしれない。
 
 うがった見方をすれば、今回の責任が不明な検証結果は皮肉にも小池知事に相対するある都議会会派の意向が多少とも反映された内容となったのではないか。
 
 おそらく今回の小池都知事の誕生を快く思っていなかった都議会会派は小池知に対する逆風が起きるのを待っていることだろう。
 
 来年の都議選の日程とにらみ合わせながら。
 
  
 何度も言うが私は東京都民ではない。
 
 しかしこれらのことは私たちの地方自治体にも大きく関わることである。なぜならある面で都政を見本としてきた面があるからである。
 
 それが今回の豊洲市場の問題で、こんなにズサンな都政を行ってきたのかという驚きと同時に、空ろな気持ちにもなる。
 
 
 いろいろな問題は原因を徹底的に追究してこそ対策が立てられるものである。
 原因を突き止められなくして防止対策などありえない。
 
 それをうやむやにすれば、かならず同じことが起きる。
 
 
 つい最近もあの舛添前知事の政治資金公私混同問題がウヤムヤになった。
 
 前知事の私用に使った金はすべて返却されたのか、絵画の問題はどうした、別荘は売り払ったのか。
 
 考えればきりがない。
  
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 些細な出来事は事を荒立てずウヤムヤで物事を丸く収めようとする日本の習慣。
 誰も傷つかずに済む事ならそれはそれで良い習慣である。しかし現在はそれをいいことに悪事を働く日本人が多い。
 
 今では悪しき習慣となった。
  
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 小池知事も今回の検証結果に納得はしていないだろう。
 
 組織問題を解消するための「都庁マネジメント本部」発足させ、さらに「市場問題プロジェクトチーム」をすでに立ち上げている。
 
 
 ただ市場問題解明のためにいろんな組織やチームなどを立ち上げて都民に対しアドバルーンを揚げているが、いつの間にか開店休業、といった状態にならぬよう願いたいものである。